脱毛症を治療する再生医療技術の共同研究を京セラ、理化学研究所、オーガンテクノロジーズが始める。患者から採取した細胞から「毛包」を再生して移植する技術の実用化を目指し、2年の共同研究で道筋にめどをつけたい考えだ。
共同研究では、理研の研究チームが開発した技術により、毛髪を作る「毛包」から採取した幹細胞から、毛包のもとになる「原基」を再生し、患者に移植することで再生毛包から髪が生えてくるようにする治療法の確立を目指す。
既にマウスでは実験に成功しており、人間の脱毛症治療への展開に向けて3者で協力。京セラは細胞加工機器の開発などを、理研とオーガンテクノロジーズは技術開発や臨床試験などを担当する。
男性脱毛症を治療する場合、医療機関で少数の毛包を採取し、受託製造会社がその毛包から幹細胞を分離し、再生毛包原基を製造。原基を医療機関が患者に移植する──というプロセスになるという。京セラは受託製造への参入を目指し共同研究に参加する。
脱毛症は、男性型脱毛症や先天性などを含め全国で1800万人超の患者がいるというデータもある。育毛剤などさまざまな治療法がある一方、全ての症例に有効なものはなく、再生医療による治療法の確立に期待をかけている。
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