水素を発生するというパック型入浴剤でけがをするケースが起きているとして、国民生活センターは7月21日、注意を呼び掛けた。今年5月末までの5年間で、子どもがやけどするなど、けがを負った報告が7件あるという。
入浴剤は、“自宅で手軽に水素浴が楽しめる”などとして市販されている。酸化カルシウム(生石灰)やアルミニウムが配合されたものが水と反応して水素を放出する仕組みを使った商品の場合、化学反応に伴い高熱を発するため、専用のパック容器に入れて使う形になっている。
同センターによると、7歳の女児が入浴剤を浴槽内のお湯に落としてしまい、あわてて手ですくい上げたところ、やけどを負う事故があった。また「テレビショッピングでデトックス効果のある水素の入浴剤が紹介されていたのを見て注文した。届いた入浴剤を湯船に入れたら泡が出て、湯温より高温になり驚いた」──といった事例もあるという。
同センターがパック型の市販品6銘柄を調べたところ、全銘柄で、湯につけてすぐに入浴剤の表面が90度程度の高温になり、長いもので約3分間持続した。ケースの表面や周囲のお湯は高温にならなかったが、パックを湯に入れてすぐに取り出すと、入浴剤から発生した高温の蒸気に触れたり、パックのすき間から子どもの指が入って入浴剤に触れてしまうことで、やけどを負うおそれがあったという。
このため同センターは消費者に対し、入浴剤をお湯に入れたら直接触れたり、湯に入れた直後に取り出したりしないよう呼び掛けている。
販売業者に対しては表示や商品の改善のほか、効能効果をうたった広告などもあったとして、医薬品医療機器等法に抵触しないよう表示を改めるよう求めていく。
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