アピールの誤解――土下座で交際してくれることはありません(1/3 ページ)
2017年の就活もピークを過ぎましたが、まだ内定がなく活動中の学生もいることでしょう。最終面接に限らず意欲のアピールは重要ですが、意欲のカラ回りで内定は取れません。戦略的コミュニケーションでは目的達成こそ重要なのです。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。
2017就活もいよいよピークを過ぎましたが、まだ内定(内々定)がない人や、本命を諦めずに活動中の学生もいることでしょう。最終面接に限らず、意欲のアピールは決定的に重要ですが、だからといって意欲のカラ回りで内定は取れません。戦略的コミュニケーションでは目的達成こそ重要なのです。
面接アピール
面接において自己アピールは大切です。しかし「しっかり自己アピールしてるのに採用されない」という声もよく聞かれます。これだけ熱意をもって応募しているのに、それに応えてくれないというのは納得いかないかも知れません。では少し場面を置き換えて考えましょう。
就職は恋愛や結婚と例えられます。人生における重要なターニングポイントである点、そしてどちらも片方の一方的意思では決まらない点は確かに共通しています。つまり片方がどれだけ燃え上がっていても、どれだけ熱意があっても、土下座したとしても、付き合ってくれない相手は絶対に振り向いてくれません。
ドラマと違う悲しい現実は、熱意や誠意だけでものごとを成就させてはくれないのです。下手すれば熱意が逆に不気味に思われ、ストーカー扱いされてしまうことすらあり得る現在です。ただ単に熱意を持っているだけでは、ただの個人の思い込みであり、エゴです。就職活動はビジネスです。ビジネスにおける自分を売り込む交渉がESであり、面接です。この基本を絶対に忘れてはなりません。
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