イチローも悲しむ若手右腕の事故死 「悲劇」で語った大物たちの言葉とは:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)
悲しくショッキングなニュースが野球界に入ってきてしまった。マイアミ・マーリンズのエース、ホセ・フェルナンデス投手がボート事故で突然の死去――。メジャーリーグを代表する投手の死に、全米中が深い悲しみに包まれた。
日米ともにプロ野球界のレギュラーシーズンがいよいよ大詰めを迎えつつある。日本では北海道日本ハムファイターズが最大11.5ゲーム差を跳ね返し、ついにマジック1でパ・リーグ優勝に王手。そしてメジャーリーグでも前田健太投手の所属するロサンゼルス・ドジャースが25日、ナショナル・リーグ西地区4連覇を達成した。
しかし、こうした華々しいムードに包まれる中、悲しくショッキングなニュースが野球界に入ってきてしまった。
マイアミ・マーリンズのエース右腕、ホセ・フェルナンデス投手が25日未明、ボート事故で突然の死去――。メジャーリーグを代表する24歳右腕の非業の死に全米中が深い悲しみに包まれた。ここまで今季16勝8敗、防御率2.86、253奪三振をマークし、今年7月には球宴にも自身2度目の出場を果たしたばかり。その年に最も活躍した両リーグの投手に送られる「サイ・ヤング賞」の受賞候補にも挙げられそうな素晴らしい活躍ぶりだった。
メジャーリーガーになるという大志を抱き、15歳で母国キューバから母親、妹とともにボートで脱出。過去3度失敗して囚われの身となり、刑務所に服役する苦難に見舞われながらも諦めずに4度目でようやく米国への亡命に成功した。海を渡る際、荒波によってボートから投げ出された母親を自ら飛び込んで助け出したという逸話もある。心優しい少年は、フロリダで新生活をスタートさせ、現地の高校に通い、2011年のドラフトで1位指名したマーリンズへ入団。2013年のメジャーデビューからメキメキと頭角を現すと、あっと言う間に人気者になった。
誰からも慕われる好青年だった。チームのエース、そして世間からスーパースターと呼ばれるようになっても決しておごることはなく、いつも明るく陽気で誰とでも気さくに話した。チームメートのイチローを心から尊敬し、嬉々としながら「イチローがそばにいるなんて夢のようだ。彼はボクにとって神様なんだよ」と公言していたほど。そんな愛くるしいフェルナンデスをイチローも投手と野手でポジションは違えどもまるで弟のようにかわいがり、一目置いていた。
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