“再び”「ポッキー」が急成長できた理由:売り上げが5年で50億円も成長(1/3 ページ)
横ばい状態が続いていた「ポッキー」の売り上げを5年間で50億円も伸ばしたチームリーダーがいる――。チョコレートマーケティング部の小林正典部長だ。彼はどのようにしてポッキーの売り上げを伸ばしたのだろうか。
年間で約3000もの新商品が誕生し、そのほとんどが1年以内に消えていくと言われているお菓子業界――。その熾烈(しれつ)な競争が繰り広げられる世界で、今年で50周年を迎えた超ロングセラー商品が江崎グリコのチョコレート菓子「ポッキー」だ。
1966年の発売当初から人気が高く、現在も同社のチョコレート菓子の中で最も売れている看板商品であり、日本を代表するチョコレート菓子とも言える。
しかし、実は90年代後半から成長が鈍化し、売り上げは横ばい状態。なかなか、解決の糸口が見えず苦しんでいたのだ。
そうした中、新しくポッキーの改革を任されたあるリーダーが、売り上げを5年で50億円も伸ばしたのだ。チョコレートマーケティング部の小林正典部長がそのリーダーである。
彼はどのようにしてポッキーの売り上げを伸ばしたのだろうか。
“ライトユーザー”の購入頻度をいかにして上げるか
小林氏がチョコレートマーケティング部に配属されたのは2011年。当時、ポッキーが抱えていた課題は、年間で1〜2回ほどしか購入しない“ライトユーザー”の購入頻度をいかにして上げるかということだった。
国内でのポッキーの認知率は90%以上。ほとんどの人が一度は食べたことがあるが、「最近は食べる機会が減った」人が増えている、ということが同社の調査で分かった。
そこで小林氏は、そのライトユーザーに日常的に食べてもらうために、年間5回のプロモーション活動を通じてユーザーとの「タッチポイント」(接点)を増やすことを考えた。
「私たちは行動をデザインすると言っていますが、食べるシーンをユーザー任せにするのではなく、私たちからポッキーを食べるシーンを提案してあげるのです。『こんなときにポッキーを食べるといいですよ』という感じで。そのシーンを生活の中にたくさん張り巡らせることで、購入機会を増やそうと考えました」
関連記事
- 甲子園で準優勝した仙台育英の監督がグラウンドに顔を出さない理由
今年の夏の甲子園で準優勝を果たした仙台育英学園高校。部員100人を超すチームをまとめるために、どのようなチームマネジメントを実践しているのか、仙台育英野球部の佐々木順一朗監督に話を聞いた。 - これぞ町工場の底力 廃業の危機を救った「おじいちゃんのノート」とは
あることをきっかけに、たった数カ月で創業以来最高の売り上げを出した中村印刷所。一体何があったのか。当時のことや、これからのことを社長の中村さんから詳しく聞いた。 - 東京下町の町工場が15年で取引先を120倍にできた理由
減少し続けている東京下町の町工場。そうした苦しい時代の中でも取引先を15年で120倍に、売上を20倍に増やし、成長し続けている町工場ある。 - 地方のフードコートでも行列 「いきなり!ステーキ」の快進撃が止まらないワケ
高級ステーキを安価で提供する「いきなり!ステーキ」は破竹のような勢いで快進撃を続けている。実は最近、ショッピングモールのフードコードでも絶好調らしい……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.