「いろはす」ブランドが支持されるワケ:「なし」新発売(1/3 ページ)
11月28日に新商品「い・ろ・は・す なし」を発売し、ますますラインアップを拡大する「いろはす」ブランド。ミネラルウオーター市場をけん引し、日本コカ・コーラの他ブランドのマーケティングにも生かされる“強さ”の秘密はなんだろうか。
11月28日に全国発売されたばかりの「い・ろ・は・す なし」。天然水の味わいに、すっきりとした鳥取県産の梨エキスがマッチした新商品だ。実はこの梨フレーバー、いろはすファンの要望を受けて生まれたものだ。
2009年に“国産”“ロハス”をアピールして生み出されたいろはすブランドは、日本のミネラルウオーター市場を引き上げるほどの支持を得た。SNSを使ったプロモーションの反応も大きく、日本コカ・コーラの他ブランドのマーケティングにも生かされる事例となっている。累計20億本以上を売り上げ、ますますラインアップを拡大するいろはすブランドの強さの秘密を、日本コカ・コーラマーケティング本部でウォーターグループを担当する高木直樹氏と銭高明氏に聞いた。
いろはすが生まれた理由
08年ごろ、“強い水のブランド”を持っていなかった日本コカ・コーラ。ペットボトルウオーターのシェアは、6割以上が「ボルヴィック」「エビアン」などの輸入ブランドに占められていたという。
「輸入ブランドの水を飲む理由は『オシャレで洗練されている』というイメージがあるから。国産ブランドで、どうやって勝っていくか。そこで“親しみやすさ”と“自然”を軸に試行錯誤を繰り返し、日本生まれの日本市場向けのブランドとして09年に生み出したのがいろはすです」(高木氏)
いろはすは、日本コカ・コーラで初めての“平仮名オンリー”の商品。いろは歌の「いろは」と、地球環境保護や健康を重視する生活を意味する「ロハス」という言葉を組み合わせた。水やフレーバーエキスの原料で国産をアピールし、「ラベルが外しやすく、ボトルを絞ってつぶしやすいので、リサイクルしやすい」と環境に優しいコンセプトを打ち出した。
「08年に北海道洞爺湖サミットがあり、環境に対する意識が高まっていました。そのため、『CO2削減に貢献できる』とアピールしたいろはすは、『絞る』というアクションの楽しさや驚きもあり、皆さんに受け入れてもらえた」(高木氏)
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