定番「ボンカレー」が挑む“新しさ” 新商品のお味は:レトルトカレーの多様化進む
大塚食品が「ボンカレー」シリーズの新製品を2月13日に発売する。“昔ながらのカレー”というイメージを払拭(ふっしょく)する狙いがあるという。
大塚食品は2月8日、レトルトカレー「ボンカレー」シリーズの新製品「ボンカレーゴールド 太陽のキーマカレー」「ボンカレーネオ 鹿児島産黒豚 ポークカレー中辛」「ボンカレーネオ 徳島産阿波尾鶏 チキンカレー辛口」を13日から全国で販売すると発表した。
「ボンカレーゴールド 太陽のキーマカレー」は、2015年に夏季限定で販売した同名の製品をリニューアルしたもの。「爽やかさ」をテーマに、清涼感のあるスパイス、日向夏の果汁、アーモンドミルクなどを使用しており、幅広い世代の消費者をターゲットに想定する。価格は180円(税別、以下同)。
「ボンカレーネオ 鹿児島産黒豚 ポークカレー中辛」「ボンカレーネオ 徳島産阿波尾鶏 チキンカレー辛口」は、従来ビーフカレーとして展開してきた「ボンカレーネオ」シリーズにバリエーションを持たせる目的で発売。隠し味として、前者はウスターソースとバナナを、後者はハチミツを使用した点が特徴。具材を大きくしてボリュームを増やし、主に若い世代の消費者をターゲットに想定する。価格は285円。
3製品ともに、パッケージのまま電子レンジで加熱調理が可能となっている。
新製品発売の狙いについて、同社の金子忠晴製品部長は「近年、レトルトカレー市場は多様性の時代に入り、各社が“ご当地カレー”などバラエティーに富んだ製品を発売している。この流れを受けて弊社も主力製品のラインアップを強化した」と説明する。味付けの意図については「ボンカレーは“昔ながらのカレー”というイメージが強いが、消費者に新しいイメージを持ってもらえるよう工夫した」という。
15年には質の高い具材を使用した高価格帯の「The ボンカレー」(500円)を、16年に子ども向けの「こどものためのボンカレー」(160円)を発売。より多くの顧客層の取り込みを図っているが、この2製品は味付けを変えたものを展開する予定はないという。金子部長は「ブランド戦略の一環として、両製品はあえて現状のまま育てていきたい」と話している。
関連記事
- ボンカレーの販売が伸びている2つの要因
大塚食品が1968年に発売したレトルトカレー「ボンカレー」の売り上げがここ数年好調だ。レトルトカレー市場全体はコモディティ化が進む中、同社の取り組みとは一体……? - 出荷数が1.5倍以上に! 「ゴールデンカレー」は何を改革したのか?
カレールー市場が伸び悩む中、エスビー食品のロングセラー商品「ゴールデンカレー」も売り上げアップを目指してブランド改革を進めている。既にその成果は目に見える形で表れてきたという。 - ポカリ6億本の流通を止めない秘策、大塚倉庫の「ID戦略」とは?
ポカリスエットやオロナミンC、ボンカレーなど、大塚ホールディングスの多種多様な商品を全国の消費者に届けるべく、その物流業務全般を担うのが、グループ会社の大塚倉庫だ。近い将来、現状の倍となる売上高1000億円を狙う同社が推進する事業改革に迫った。 - ルーツは病院にあった? 今年46歳、ボンカレーの過去
1968年に発売された「ボンカレー」は、どのように開発されたのだろうか。製造元の大塚食品に聞いたところ、意外な答えが返ってきた。カレーが入っている袋を殺菌するために……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.