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すかいらーくが出店拡大路線に転換する事情過去最高益でも歩を止めず(1/2 ページ)

2016年12月期通期で最終利益182億円と、過去最高益を更新した外食大手のすかいらーく。2017年からの3年間で約450の新規出店を目指すなど、出店を急加速させる。その狙いとは……?

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 まるで外食不況とは無縁であるかのように、2016年12月期の通期決算で過去最高益を更新したのが、ファミレスチェーン「ガスト」や「ジョナサン」などを運営する外食大手のすかいらーくだ。

 売上高は3545億1300万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は312億4900万円(同12.4%増)、最終利益が182億1600万円(同20.5%増)と増収増益。ガストでの大幅なメニュー刷新によって既存店売り上げが改善されたことや、焼肉やカフェといった専門業態ブランドが好調だったことが主な要因と言えよう。

専門業態ブランドの「むさしの森珈琲」は売り上げ好調。写真は中央林間店
専門業態ブランドの「むさしの森珈琲」は売り上げ好調。写真は中央林間店

 その勢いをさらに加速させるべく、すかいらーくは出店拡大路線に事業をシフトチェンジする。2017年〜19年の3年間で一気に約450店を新規出店する計画だ。その間に閉鎖する店舗を考慮しても約350店が純増する見込み。2017年1月末時点でグループ全体の店舗総数は3064店で、過去8年間で増えたのは50店ほどだった。

 2月9日に開かれた決算会見の場で谷真社長は「この数年は既存店1つ1つの収益基盤を確立するためのステージだった。ここから店舗拡大による成長を図っていく」と意気込んだ。これによって、2019年には売上高で3900億円前後、営業利益で380億円前後を目指すことになる。

決算会見で説明する谷真社長(中央)
決算会見で説明する谷真社長(中央)

 すかいらーくにとって出店の急拡大は、かつての“悪夢”がよみがえる。2000年代前半、売り上げ増を図るためガストを中心に毎年100店以上の無謀な出店を続けた結果、その店舗の多くが赤字に。同社の業績も右肩下がりで、ついには2006年にMBO(経営陣による企業買収)によって上場廃止となった。

 その後、経営体制の刷新や不採算店の閉鎖など、さまざまな事業改革を進め、見事に業績回復を遂げたわけだが、「当時の出店拡大とはまるで違う」と谷社長は言い切る。

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