2015年7月27日以前の記事
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中小企業、IT担当「0〜1人」3割弱 セキュリティも課題デルが調査

デルが実施した中小企業のIT環境調査によると、IT専門の担当者が少ない点や、セキュリティ対策が不十分な点などの課題があるという。

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 IT大手のデルがこのほど実施した中小企業のIT環境の動向調査によると、中小企業にはIT専門の担当者が不足している点や、セキュリティ対策が不十分な点などの課題があることが分かった。

 デルはこうした状況に対応し、中小企業のIT支援に特化した新サービスを始める。

中小企業のIT活用事情は?

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調査結果と今後の方針について話す、CTO(最高技術責任者)の黒田晴彦氏

 調査では、従業員数が100〜999人の顧客企業446社にIT活用の実態を聞いた。

 その結果、社内のIT専任担当者の人数が1人だけという企業が14%、IT専任担当者がいない企業が13%と、合計で3割弱を占めた。そのうちの9割が「業績状況にかかわらずIT部門の増員を予定していない」と回答していた。

 また、独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)が定めた、従業員の個人情報保護やウイルス対策についての指針「中小企業情報セキュリティ対策ガイドライン」に準拠している企業はわずか3%。中小企業の大半はセキュリティ対策に問題があることが分かった。

 IT関連の意思決定に対して「社長の影響力が強い」と答えた企業は70%。中小企業の社長の平均年齢は59.3歳と若返りが進んでいるため、「大学時代からコンピュータに親しんできた技術系出身の経営者が増え、ITへの理解が進む」とみている。

 「IT関係の予算が増額傾向にある」という企業は全体の21%。うち従業員数が100〜500人規模の企業では、突発的に予算が発生する傾向があり、中長期的な検討が行われづらい一方、投資の大型化につながりやすいことが分かった。

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中小企業IT調査結果
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中小企業IT調査結果

デルが中小企業向けIT支援を開始

 一連の調査結果を踏まえ、デルは中小企業のIT支援に特化したサービス「ひとり情シス・ソリューション・9つの打ち手」を提供開始。社内インフラの構築や災害時のデータ復旧など、課題別に9種類の解決策を用意したもので、低コストかつ短時間で社内のIT環境を改善できるため、IT専任の担当者が少ない中小企業に適しているという。

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新サービスの仕組み

 また、中小企業向けのセキュリティセミナーを2月〜10月に全国17都市で開催することも決まっている。マイナンバー法の施行や個人情報保護法の改正などの時代背景を踏まえつつ、情報セキュリティへの取り組みの重要性を説いていく。

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セキュリティセミナーの実施地域

社内資格「ITコンシェルジュ」新設

 新サービスの開始に伴い、デルは「ITコンシェルジュ」と呼ぶ社内資格を新設する。コールセンターで電話営業や顧客対応を行う社員向けの資格で、中小企業のIT活用に関する専門知識を持つと認定された場合に付与される。IT部門への投資、インフラ構築、セキュリティ対策などにおいて、顧客企業に対して質の高い提案や説明ができる人材を育てる目的がある。

photophoto 「ITコンシェルジュ」の概要=左、キャリアパス=右

 同社の黒田晴彦CTO(最高技術責任者)は、「社員が知識を身に着けながらマニュアルを日々改善することで、支援領域を充実化できると考えている。従来からの当社の強みであるコールセンター運用をさらに強化し、より多くの中小企業にリーチしていきたい」と話している。

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