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社長が語る「ライザップ経済圏」とは自己投資産業で世界一になる(2/3 ページ)

なぜいまライザップグループはアパレルに参入するのか。また、住関連領域から介護まで多角的な経営を推し進める裏にある競争優位性とは何か。瀬戸健社長に今後の展望と戦略を聞いた。

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なぜジーンズメイトを買ったのか

――目的志向の哲学が全ての事業に一気通貫しているということですね。M&Aに関しての戦略についてもお伺いできますか?

瀬戸: 当然、事業ドメインはあります。どれも「自己投資」に関わるものです。われわれは開発からプロモーション、販売までを一気通貫で行ってきましたので、ノウハウや顧客データも蓄積されています。M&Aにおいても、この強みを生かせるドメインに進出しているのです。

 パーソナルジムとジーンズメイトの連携でいえば、「何キロ痩せたらジーンズメイトの商品をプレゼント」といった来店動機につなげる施策を既に検討中です。また、「あなたの今の体型にはこんな服が似合います」といったように、そのときの体型ごとに商品をレコメンドできるようにします。

 もちろん、カロリーを消費しやすいウェアや、体力の回復を早めてくれるリカバリーウェアの研究開発もしていますが、まずはイケてる商品に変えていくことが大切です。

 人は痩せてくると、無意識に鏡を見る時間も増えますし、何より自分を肯定できるようになっていきます。そうなると、自分に対しての投資へと消費自体が変わっていく。似合う服も増えるので、楽しく買い物ができるようになります。

 また、自分の個性に合わせた服を着こなしていくことで自信も出てくるようになります。理想に近づいていくなかで、より自己肯定も深まっていくんですね。その過程における人の変化は目を見張るものがあります。そして、そこに新たな需要(ビジネスチャンス)が生まれるんです。

 ですから、ジーンズメイトの商品価格も従来よりも少しだけ高めに設定し、自分の価値に高められるブランドに改革していきます。安っぽいイメージの服を着ていても自己肯定を得られにくいですからね。

 このように蓄積された顧客データを生かしながら経済圏を形成していくわけですが、やはりデジタルだけではなく人の存在も変わらずに重要だと思います。個人単位での趣味嗜好(しこう)が明確化されたデータに基づいて、人がアドバイザー的に価値提供を勧めていく。そうした事業を作っていけるかがポイントになるのではないかと考えています。

photo 2017年1月にジーンズメイトを買収

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