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社食なのに夜メイン? 発想を変えて理想を実現既成概念にとらわれない(2/4 ページ)

「こんな社食があったらいいな」を実現するために、従来の社食のイメージから発想を大きく転換した企業の取り組みとは……。

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飽きのこないメニューづくり

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最大8人で利用できる個室。目の前には東京タワーも

 外の飲食店に引けを取らないようにするため、従来のイメージの社食には珍しいサービスを取り入れている。黒い制服姿のホールスタッフが働いており、夜は席で注文を取ってくれる。午前8時〜午後10時の時間内はずっと営業しているカフェのコーナーや、夜にお酒などを提供するバーカウンターも備えている。ソファ席や個室もある。

 そして、何といっても夜のメニューには力を入れている。おつまみやサラダ、肉料理、麺類、丼、デザートなど、グランドメニューが充実している。グランドメニューを入れ替える頻度は半年に1回程度と、外部の飲食店と比べても多い。旬の食材を使った季節メニューに至っては、約2カ月で変更する。毎日使ってもらいたいからこそ、飽きないように工夫を重ねている。もちろん、アルコールも取りそろえている。

 接待などに活用できるコース料理も、用途に応じて提供している。4月からは「女子会プラン」も開始。テーブルサイドで仕上げをする料理など、女性が楽しめるメニューを考案中だという。

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フードとアルコールのメニュー。利用者の要望や季節の食材を取り入れるため、見直しの頻度も高い

クーポン券で利用喚起

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営業時間は午前8時〜午後10時。食事の時間帯以外はカフェを利用できる

 理想を詰め込んだ社食の開設から約3年。狙い通りの効果はあったのだろうか。櫻井氏は「当初は、顧客企業に常駐する社員の利用が思ったよりも伸びなかった」と明かす。

 そこで、そういった社員に対し、月2000円分のクーポン券を配布。勤務があるため昼は利用できないが、夜やカフェの時間帯に使ってもらえるようにした。その結果、クーポンの消費率は6割に。「普段は見かけない社員も来てくれるようになった」(櫻井氏)という。

 また、「人が集まってコミュニケーションが取れる場所にする」という狙い通り、社員以外も多く利用している。社員による招待があれば、取引先の人がカフェを利用することも可能。夜、社員が家族を連れて食事を楽しむこともできる。新入社員が両親を招待する姿もあったという。

 現在、昼は600人、夜は180人程度が利用している。櫻井氏は「毎晩、満席にすることが目標」と話す。メニューやイベントなどにさらに磨きをかけていく。

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