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「家で食べる」もあり 広がる“宅配型”社食手軽さが売り(2/3 ページ)

本格的な社食を設置しなくても、“宅配型”の社食サービスを利用するという方法もある。食堂やカフェとは違う、多様な使い方とは……。

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コンビニ食を減らしたい

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「健康に関心を持ってもらいたい」と語るキュービックの世一英仁社長

 キュービックがオフィスおかんを導入した背景には、世一社長の「食に気を使う」という考え方がある。約230人が働くオフィスには、若い社員やインターンシップの大学生が多いため、「どうしてもコンビニ食が多くなってしまう」ことが気になっていた。「コンビニで済ます食事の量を減らす」ことを目的に、食事支援に力を入れている。

 その考え方を後押ししたのが、15年冬の経験。インフルエンザが流行し、体調不良を訴える社員が例年に比べて増えてしまった。「体調を崩してしまう社員を見ても、会社として(個人の体調管理に)なかなか踏み込んでいけない。それでも、健康に対する関心を高めることには取り組める」(世一社長)。健康的な食事の提供は、その一環だ。

 オフィスおかんの他にも、カットフルーツや自然由来の原料を使ったエナジードリンクを提供。また、睡眠や運動量などを自己管理できるウェアラブル端末の貸し出しまで行っている。健康への意識を高める取り組みを続けることで、「社員全体が少しずつ健康になって、仕事にもいい効果が出せれば」というのが、世一社長の考えだ。

気軽に集まれる効果も

 このように、社員の健康のためにオフィスおかんを導入したが、実際に利用してみると、想定外の効果もあった。社内のコミュニケーションのきっかけになっているのだ。

 オフィス内に手軽に食べられる総菜があることで、ランチの時間や仕事の後に、すぐに集まって歓迎会などを開きやすくなった。温めるだけで食事やおつまみができるため、飲み物などを買ってくるだけでいい。飲食店に比べると、お金もかからない。世一社長は「コミュニケーションに効果があるとは考えていなかった。うれしい効果」と笑顔を見せる。

 今では、おかんのおかずが「お気に入り」だという社員も少なくない。納品される直前になると、ストックがなくなってしまうことも。ちなみに、取材日時点の5月のメニューで一番人気は「鶏と卵のすっぱ煮」。世一社長は「これからもたくさん使ってほしい」と話している。

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ハンバーグや煮魚などの主菜、煮物やサラダなどの副菜、ご飯、ドリンクが定期的に届く。1カ月保存が可能

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