JR東日本と三井物産は8月10日、英国で鉄道事業の運営権を獲得したと発表した。ロンドンへの通勤路線などを担当し、12月から事業を開始する計画。JR東日本が海外で鉄道運行事業に参加するのは初めて。
英国では民間企業が旅客鉄道運行事業の運営を担うフランチャイズ制を採用しており、地域ごとの運行事業者は運輸省による入札で決めている。JR東日本は、三井物産、オランダ国鉄の子会社英Abellio UKとコンソーシアムを組んで応札した。
運営権を獲得した「ウェストミッドランズ(West Midlands)旅客鉄道事業」は、ロンドンへの通勤路線と、ロンドンとイングランド北西部の都市リバプールをむすぶ長距離路線、イングランド中西部に位置する英第2の都市バーミンガムの都市圏輸送を担当する。現在の事業者は路線長799キロ、551両(173編成)を運行し、乗客数は年間約7360万人。JR東日本は、新車両による輸送力増強や、ロンドン、バーミンガム周辺の通勤混雑の緩和などに取り組んでいく。
JR東日本は海外鉄道事業に注力しており、三井物産は英国では「イーストアングリア(East Anglia)旅客鉄道運行事業」に続き2路線目の参加となる。
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