「地方巡業」の増加で、力士が壊れてしまうかもしれない:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
大相撲秋場所の熱戦が連日、両国国技館で続いている。ただ、幕内力士がこれだけ不在となると、どうしても盛り上がりに欠けてしまう。なぜ、力士が次々に欠場するのかというと……。
大相撲秋場所の熱戦が連日、両国国技館で続いている。しかし、やはり幕内力士がこれだけ不在となると今までよりも盛り上がりにかけてしまう感は否めない。
3日目の12日には大関高安と西前頭4枚目宇良が前日の取組で負傷し、休場が決まった。今場所は白鵬、稀勢の里、鶴竜と3横綱が昭和以降で初めてそろって初日から休場という異常事態。3横綱と1大関の休場も18年ぶりだ。初日から休んでいる西前頭二枚目碧山と西前頭十二枚目佐田の海、そして宇良を加え、これで幕内力士の同時休場は7人となり、公傷制度が廃止された2004年以降では最多タイの人数に達してしまった。
なぜ、ここまでケガ人が増えてしまうのだろうか。確固たる因果関係は残念ながら証明できないが、関係者の話を総合すると、これは近年の地方巡業数の増加とあながち無関係ではないように思われる。
地方巡業とは春から冬の年間4度行われる本場所とは別の興行のこと。基本的に春は関東、夏は東北、北海道、秋は中部、近畿、冬は九州で行われ、過去にはインドネシアのジャカルタ、モンゴルのウランバートル、米国のロサンゼルス、ハワイなど海外で開催されたこともある。
本場所が行われることのない地域での開催によって大相撲の醍醐味を体感してもらい、普及を図ろうというのが、その狙いだ。力士たちによって普段の取組では禁じ手とされている技をショー感覚で披露される「初切(しょっきり)」が行われることも多々あり、本場所とは違った余興も楽しめる舞台として人気を集めている。
この地方巡業の数が近年の大相撲人気の復活とともに激増していることは数字を見ても明らかである。14年に37日間だった地方巡業数は翌15年で64日間に大幅アップ。60日間以上の開催は01年以来で、同年の61日間をも上回った。昨年は75日間にまで増え、70日間以上の開催は実に22年ぶりとなった。
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