なぜコストコはグーグルよりも魅力的な職場なのか:来週話題になるハナシ(1/4 ページ)
「大量に買いたいから」「安いから」といった理由で、コストコで買い物をしたことがある人も多いのでは。会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで店舗数が増えているが、本場の米国では単なる激安店以外によく知られていることがある。それは……。
2017年9月1日、コストコ・ホールセールは、日本国内で26店舗目となる新店舗、浜松倉庫店(静岡県)をオープンさせた。
日本で順調にビジネスを拡大しているコストコの本部は、米国ワシントン州シアトル郊外イサクアにある。世界11カ国で大型会員制の倉庫店を741店舗、展開している世界的な小売り大手だ。
ご存じの通り、コストコは会員制というシステムをとっているため、買い物をするには年会費(日本で個人会員になる場合は4400円+税)を支払って会員になる必要がある。
コストコの魅力は、倉庫を兼ねている巨大な店舗だ。食料品から家電、タイヤからジュエリーまで、さまざまな商品が山積みにされ、大量買いすることで割安で商品を手に入れることができる。
また、店内にはフードコートもあり、アメリカンサイズのピザやホットドッグ、ドリンクやソフトクリームなどを激安で楽しめる。広い店舗内を歩き回って小腹が空いた買い物客の胃袋もわしづかみにしているのだ。また一部の店舗では、ガソリンスタンドまで併設している。
会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで、日本でも他にはないユニークなショッピング体験ができると評判のコストコ。実は本場の米国では、コストコは単なるユニークな安売り店という以外に、よく知られていることがある。
コストコは人気の「勤務先」で、優良な「ホワイト企業」として、米国を中心に注目されているのだ。
米国のフォーブス誌は毎年、優良な雇用主をランキングした「America's Best Employers(米国のベスト企業)」を発表している。2017年に第1位となったのは、コストコだ。
例えば米国のIT企業などは「働いてみたい職場」として紹介されることが多い。IT大手のグーグルは、斬新なオフィスで食事は無料、医者や理学療法士、カイロプラクターまでが常駐し、メディアでもうらやましい職場環境としてよく取り上げられている。だがコストコは、そんなグーグルを上回る評価を獲得しているのである。
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