東京証券取引所は10月11日、東芝株式の「特設注意市場銘柄」指定を12日付で解除すると発表した。「内部管理体制などについて、相応の改善がなされたと認められたため」という。
東証は、2015年に東芝で不正会計が発覚したことを踏まえ、同年9月に東芝を特設注意市場銘柄に指定。16年は、東芝の内部管理体制確認書を確認した結果、さらなる改善が必要と判断して指定解除を見送っていた。
今回は、17年3月に東芝から再提出された内部管理体制確認書を確認した結果、(1)ガバナンスの改善、(2)意思決定プロセスの見直し、(3)適正な情報開示体制の構築、(4)子会社の管理体制の強化――といった施策を講じていることが認められたため、指定解除を決めたとしている。
ただ、東芝は債務超過に関する上場廃止基準にも抵触しており、現在は猶予期間中。18年3月期末に債務超過を解消できなければ、今回の審査結果にかかわらず上場廃止となる。
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