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本格普及するか「即時買い取り」 参入のメルカリ「ニーズある」先行するCASHは対抗策

メルカリが「メルカリNOW」をスタート。先行する「CASH」を追う。大手2社の展開により、国内に即時買い取りサービスは本格普及するだろうか。

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 フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリが、即時買い取りサービスに参入する。サービス名は「メルカリNOW」、キャッチコピーは「あなたのアイテムが今すぐお金に変わる」。「メルカリ」内で利用できる新サービスだ。国内6000万ダウンロードのユーザー層を生かし、先行する即時買い取りサービス「CASH」を追う。


メルカリが即時買い取りサービス「メルカリNOW」をスタート

 即時買い取りサービスは、11月にDMM.comに買収された「CASH」が先行。メルカリの伊豫健夫 プロダクト担当執行役員は「即時買い取りサービスは、以前から1つの可能性としてあった。具体的にどういった形がユーザーにとって使い勝手がいいのか、具体化してきたのは最近。『CASH』の発表と反響を知り、確かに即時買い取りのニーズがあることを把握した」と語る。

 これまでメルカリを利用していないユーザーから「他ユーザーとやりとりをするのが面倒」「売れるまで待ちたくない」という不満が挙がっていたという。「引っ越しや大掃除で出た不要物をまとめて売りに出したい」「今すぐ売りたい」といったニーズに応えたサービスだ。

 「メルカリNOW」の開発責任者、石川佑樹氏は「『メルカリNOW』は、『メルカリ』が訴求しきれていないニーズがあり、補完関係にあると考えている。使い分けていただきたい」と話す。これまで「メルカリ」を利用していなかったユーザーの新規獲得と、既存ユーザーの利用頻度増を狙う。

「メルカリNOW」仕組みは?

 手元にある商品のブランドと状態を選択し、スマートフォンのカメラで撮影すると、すぐに査定金額が表示される。商品はメルカリグループ会社のソウゾウが買い取り、買い取り金額は即座に「メルカリ」の売り上げ金額に入金、アプリ内で利用できる。振込申請を行えば現金化も可能だ。価格査定は「メルカリ」の取引データを利用した自動値付けとなっている。

 査定金額の上限は2万円で、1日の買い取りは1000万円を上限とする先着順。買い取りを受け付ける商品カテゴリーは、当初はレディース・メンズの服飾品に限定する。古物営業法に基づき、本人確認書類のアップロードが必須で、未成年の利用はできない。

 ユーザーが買い取りに出した商品は、メルカリが無料で集荷し、「メルカリ」内でリセールする。この売上額と買い取り額の差額がメルカリの利益になる仕組み。また、即時振り込みではなく「メルカリ」の売上額に加えることで、「メルカリ」内での流通額を増やす効果も期待できそうだ。


「メルカリNOW」の仕組み

レディース・メンズの服飾品を即時買い取り

 即時買い取りサービスにとって重要な問題になるのが、悪意のある利用対策。メルカリは、2週間以内に集荷依頼がない場合は買い取りをキャンセルし、アプリの評価にフィードバックする。また、カメラロールに保存された写真はアイテム登録時に利用できない仕組みになっており、手元にない商品の登録を防ぐ。状態が悪い商品や偽物などの検知は、鑑定士の検品(目視確認)とAI(人工知能)などのテクノロジーを利用する。

 不正利用が検知された場合、即座に買い取りをキャンセルし、不正な商品の集荷を防ぐ。集荷後に検知された場合、売上金の没収やアプリの利用制限などを行うという。

 今後は、(1)対応カテゴリーの拡充、(2)査定金額や1日の買い取り額の上限引き上げ、(3)査定額や出品時情報入力のAI化――を進め、さらなる利用拡大を狙う。

 「CASH」を運営するバンクも同日、最低買い取り額を1000円に設定。「どんなアイテムを査定しても、買い取り額は1000円以上」とアピールし、メルカリに対抗する。2社が即時買い取りサービスを大々的に展開することで、国内の利用者数は急速に拡大しそうだ。

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