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厚労省“ブラック企業リスト”更新 電通本社はリスト外に:429社に
厚生労働省が“ブラック企業リスト”を更新。掲載企業数は429社となった。事業主が元従業員の給与を着服した土木建設請負業者などが追加された。
厚生労働省は1月17日、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。昨年12月までの分として38社を追加した一方、労働環境の改善などにより「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除したため、掲載企業数は429社となった。
昨年5月に初公開し、電通、パナソニック、ヤマト運輸などの大企業が名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題になっていた。ただ、電通本社は公表日から1年が経過したため、今回の更新でリストから削除された。掲載企業数のピークは昨年11月で、494社がリスト入りしていた。
今回追加されたのは、事業主が元従業員の給与を着服した土木建設請負業者(京都府)など。京都新聞の報道によると、着服額は約24万円で、事業主は「借金返済に追われていた。生活費などに使った」と容疑を認めているという。
また、労働基準監督官が労働環境に関する報告を求めた際に虚偽の賃金台帳を提出した乳製品メーカー(長野県)、高さ約10メートルの屋根の上で、防護柵などを設けずに労働者を作業させた建築業者(兵庫県)などがリスト入りした。
労働者5人に対し、5〜7カ月間にわたって定期賃金計約440万円を支払わなかった建築業者(栃木県)など、賃金の未払いで送検されるケースも目立った。
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