ニュース
“脱皮”を阻害しゴキブリ殺す 中部大学が開発:「ペットに安全な毒餌」
中部大学の長谷川浩一准教授らは、脱皮を阻害してゴキブリを殺す技術を開発した。新しいゴキブリ撃退法のメリットとは。
中部大学の長谷川浩一准教授らはこのほど、遺伝子に影響を与えて脱皮を阻害し、ゴキブリを駆除する技術を開発した。イヌやネコなどのペットに悪影響を及ぼすことなく、ゴキブリのみを撃退できる新薬として商品化を目指す。
ゴキブリは約1カ月ごとに脱皮を繰り返して成長する。同研究では、この脱皮に関係する遺伝子に着目。「RNA干渉」と呼ばれる手法を使い、この遺伝子の動きを阻害する物質「相補的RNA」をゴキブリの体内に入れると、脱皮ができずに死んでしまうことが分かった。
現在成果が出ているのは、注射器による「相補的RNA」の摂取だが、今後は商品化に向けて経口による摂取で成果が出るように研究を進めている。
長谷川准教授は「“毒餌”でゴキブリを退治する場合、イヌやネコなどのペット、または小さな子どもが誤飲してしまうリスクがある。安全な新薬の開発につなげていきたい」と説明する。
世界には約4500種類のゴキブリが生息していて、今回の研究では日本で最も多い「クロゴキブリ」を用いた。今後は世界中のさまざまなゴキブリに応用できるように研究を進めるという。
「今回発見した技術はゴキブリだけではなく、他の虫にも応用できる可能性がある。商品化の話はまだ先だが、世界でこの技術が活用されるように研究を続けていきたい」(同)
関連記事
- ツナ缶にゴキブリ混入 自主回収はせず はごろもフーズ
はごろもフーズはツナ缶「シーチキンLフレーク」に、ゴキブリが混入していたとして謝罪した。 - なぜ「ゴキブリ1匹」でペヤングは消えたのか
「ペヤングからゴキブリ出てきた」というクレームを受け、まるか食品が全商品の生産中止に踏み切った。同時期に、日清食品でも同じような騒動あったのにもかかわらず、大きな問題に発展しなかった。なぜまるか食品ばかり叩かれるのだろうか? - アース製薬、「殺虫剤」改め「虫ケア用品」に なぜ?
アース製薬が、公式サイト上で「殺虫剤」という呼び方を「虫ケア用品」に変更。広報担当者に狙いを聞いた。 - ヒアリの女王アリ発見で、フマキラー株が28年ぶり高値
環境省が「ヒアリ」の女王アリとみられる死骸を国内で初めて発見したと発表すると、殺虫剤や園芸用品の開発・販売を手掛けるフマキラーの株価が急騰した。 - うどんソースにクモ混入 キッコーマン、約50万袋を自主回収
キッコーマン食品が販売する商品「具麺ソース あまから肉ぶっかけ」にクモが混入。約50万袋を自主回収する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.