HISが格安スマホ市場参入か 「旅行」とセットの独自プランも:「後日、会見で詳細明かす」
HISが格安SIM市場に参入すると一部が報道。旅行商品とセットにした独自色の強い料金プランを打ち出すという。日本通信と提携し、販売促進を担う新会社の設立も検討中という。
旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)が格安SIM市場に参入すると、一部報道機関が2月6日報じた。主力の旅行事業が伸び悩んでいるため、格安SIM事業を新たな収益の柱にする狙いがあるという。
同日付の日本経済新聞によると、HISは事業開始に向け、MVNO(仮想移動体通信事業者)の日本通信と提携する予定。両社は料金設定や販売促進を担う共同出資会社の設立も検討中という。
同紙によると、HISは自社の旅行商品や電力小売りサービスとセットにした独自色の強い料金プランを打ち出し、他社との差別化を図る方針。契約は店舗の窓口で受け付ける予定で、2月中にも都内の旗艦店で取り扱いを始める計画としている。
HISはITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、「報道内容は当社から発表したものではない。日本通信と提携することは事実だが、これ以上は明かせない。2月15日に会見を開き、詳細を説明する予定」(広報室)と回答した。
生存競争は激化
格安SIM市場では、Y!mobileやUQ mobileなど大手キャリア(携帯電話事業者)のサブブランドや、キャリア参入を発表した楽天のMVNO「楽天モバイル」などが高いシェアを占めている。
残る企業の生存競争は激化していて、「FREETEL」ブランドを運営していたプラスワン・マーケティングは昨年12月に経営破たん。通信事業を楽天に譲渡している。
生き残りに向け、ケイ・オプティコムが運営する「mineo」は“圧倒的ファンファースト”を掲げ、コミュニティサイト上でユーザーが運営側に新アイデアを提案できる仕組みを取り入れるなど独自路線を進む。LINE傘下のLINEモバイルは1月末にソフトバンクとの資本・業務提携を発表。各社がさまざまな取り組みを進めている。
関連記事
- MVNO首位「楽天モバイル」、サブブランドにいかに勝つ?
楽天のMVNO(仮想移動体通信事業者)で、ユーザーから高い人気を獲得している「楽天モバイル」。Y!mobileやUQ mobileなど大手キャリアのサブブランドにどう対抗するのだろうか。 - “顧客ファースト”でシェア上位 独自路線の「mineo」、次なる施策は?
ユーザーを大切にする姿勢を貫き、競争が激化するMVNO市場でシェア4位に位置するmineo。契約数は間もなく100万回線に達するというが、今後はどのような施策を展開していくのだろうか。 - 楽天、携帯事業参入を正式表明 1500万ユーザー目指す
楽天が、携帯事業参入を正式表明。周波数帯割り当てに名乗りを上げ、19年度中にサービスを始める計画。1500万以上のユーザー獲得を目指す。 - 厚労省「ブラック企業リスト」401社に HISや水道局も
厚労省が「ブラック企業リスト」として話題となった、労働基準関係法令に違反した企業のリストを更新。 - 日本通信、今期も赤字に 黒字予想が一転、大幅下方修正
日本通信が17年3月期の業績見通しを下方修正し、今期も最終赤字に。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.