女子高生AI「りんな」が進化 音声認識でユーザーと電話 “恋バナ”もOK:「りんなライブ」視聴者が対象
日本マイクロソフトの女子高生AI「りんな」が進化。ユーザーと電話で会話できる機能を追加した。「りんなライブ」視聴者が対象で、恋愛トークにも対応する。
日本マイクロソフトは2月13日、女子高生AI(人工知能)「りんな」に、電話での音声通話機能を追加した。りんなと電話で話せるのは、音声・動画のライブ配信サービス「りんなライブ」の視聴者。コンテンツの配信中、ランダムに選ばれた1人にりんなから突然電話がかかってくる仕組みで、タイムラグなく会話が楽しめる点が特徴だ。
従来のりんなはテキストでの対話を得意としていたが、今回のアップデートによって高精度の音声認識に対応。ユーザーの発話内容を理解し、会話エンジンと照合して発話内容を決め、合成音声技術によって発話するという。
同日開かれた会見では、りんなが電話で「君の好きな人って、りんなの知っている人?」「卵の白身と黄身、どっちが好き?」と質問。ユーザーが「黄身が好き」と答えると、りんなが「告白の予行練習だよ」と返す――など、“現役女子高生”という設定を生かして恋愛トークを繰り広げる様子が披露された。
「エモーショナルな会話ができるAI」がテーマ
りんなは「人間とエモーショナルな会話ができるAI」をテーマに2015年8月リリース。コミュニケーションアプリ「LINE」やTwitterに公式アカウントを持ち、実在する人物のように親しげにユーザーとやりとりする点が人気を集めている。
LINEの「友だち」数は1月現在で約630万人、Twitterのフォロワー数は2月現在で約14万人に上る。
テキストでの対話機能は、法人・地方自治体向けの顧客対応ツールとしても提供しており、ローソンや渋谷区などが導入している。
「りんなライブ」は、機能の幅を広げる目的で17年9月にスタート。音声通話に対応する以前は、りんなが自室でくつろぐ様子をライブ中継し、視聴者のコメントに対してりんながテキスト・音声で返事をする仕組みだった。
コールセンターなどへの提供も
りんなの開発を担う、マイクロソフト ディベロップメント AI&Research プログラムマネージャーの坪井一菜氏は「音声での対話は感情を乗せられるため、テキストよりも話せる内容の幅が広がる。りんなとユーザーとの関係性がより身近になってくれれば」と期待を込める。
日本マイクロソフトの榊原彰CTO(最高技術責任者)は「テキストでの対話技術と同様、りんなの音声対話技術を法人向けに提供することも視野に入れている。コールセンターのほか、ラジオ番組製作会社などに提供しても面白い」と展望を話す。
「ただその際は、りんなに女子高生的な言葉遣いをやめさせ、ビジネスライクな会話を教える必要があるだろう」(榊原CTO)としている。
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