小田急電鉄の路線図はどこが変わったのか:路線図マニアが読み解く(1/3 ページ)
ダイヤ改正に伴い路線図を一新した小田急電鉄。リニューアルした路線図はどう変わったのか? 路線図マニアが読み解く。
春は出会いと別れの季節。鉄道会社にとってはダイヤ改正の季節であり、ダイヤ改正に伴って「路線図が更新される」季節でもある。とはいっても、多くの場合は停車駅や乗換駅などの細かい変更であり、どこが変わったのかすぐには気付けない「間違い探し」レベルのものも少なくない。そんな中、小田急電鉄が3月17日のダイヤ改正に併せ路線図を一新した。
筆者は路線図マニアで、この時期になると路線図の差分を見つけてはニコニコしているのだが、姿が一変した小田急の路線図には「おっ」と腰を浮かせた。これは単なるダイヤ改正の副産物ではない。
小田急は代々木上原〜登戸間の「複々線化」がようやく実現し、混雑緩和に向けた新ダイヤを打ち出している。新たに「通勤急行」「通勤準急」を新設し、これに併せて多摩急行を廃止。快速急行を多摩線でも運行させ、準急の停車駅が増えるなど、多くの施策を取り入れた。
大幅な「モデルチェンジ」は路線図にも及んでいる。以前の路線図では、路線にハイライトを入れ立体感を出していたが、新路線図ではフラットなデザインに変えた。ロマンスカー停車駅を示すイラストはシンプルなアイコンになっている。総じて新路線図のほうが「スッキリ」感があるはずだ。装飾を極力減らすことにより、見やすさ=視認性の向上が期待できるだろう。
視認性の向上は駅名の表記にも感じられる。
フォントが太ゴシックから細い書体になり、上下幅をそろえた「均等割付」をやめた。この変更でどれだけ見やすくなったかは、多摩線の「小田急多摩センター」の表記を見てもらえば一目瞭然。限られた上下幅にギチギチに詰め込まれていた駅名が、ようやく解放されたのだ。
細かいところでは、小田急の駅名は全て「路線の上側」に位置するよう統一され、駅を目で追う際に視線が上下にぶれないようになっている。今回の路線図の変更は、単なるダイヤ改正の副産物ではなく、「見やすさ」も意識したリニューアルであると感じた。
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