「自信満々の商品が売れない!」そんな時、どうすればいい?:「売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!」
自信をもって送り出した商品が売れない……そんな時、何か1つを変えれば売れるようになるかもしれない。
満を持して送り出した商品が売れなかったとき、どうすればいいのだろうか。「モノはいいはずなのになあ……」と頭を抱えている担当者の武器になるのが、川上徹也氏の「売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!」(SB新書/税別800円)だ。本書はモノを変えずに売り方を変える7つの方法を伝授している。
著者の川上氏は、さまざまな企業の広告制作やプロジェクトに携わる“広告のプロ”。物語を作って商品を手に取らせる「ストーリーブランディング」手法の名付け親で、マーケティング入門書の「これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング」(SB新書)は10万部を突破している。
本書では、「モノはいいけど売れない」商品やサービスが、「ウリ」「時間」「場所」「人」「値段」「方法」「目的」――のどれかを変えることでヒットした例が紹介されている。例えば制汗剤で知られる「シーブリーズ」は、「売る人」を変えてどん底から復活した。メインターゲットを20〜30代の男性から、部活後の女子高生に変更し、パッケージやCMも刷新したところ、売り上げがV字回復したのだという。
タイトルに「マーケティング」という言葉こそついていないが、本書で紹介されている7つの方法――「5W2H」は基本のフレームワークだ。自社のことを考えつつ、ヒット商品のエピソードを読み進めていくうちに、マーケティングの考え方をインストールできる。
既存商品のプロモーションはもちろん、新商品のアイデアにもつながるはずだ。読み進めながら、「ITmediaだったら、この中のどれを変えると面白いだろう?」と自然と考えていた。「時間を変えて、夜中しか更新しないWebメディア」とか「人を変えて、60代以上に特化したWebメディア」とか……うーん、ちょっとイケてないですね。
関連記事
- サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。 - 「“表面的な女子っぽさ”の女子向け商品」からの脱却 午後の紅茶×ポッキーの4年間
「女性向けの商品やサービスをヒットさせたい」――そんな担当者必読の本が「ブランドのコラボは何をもたらすか 午後の紅茶×ポッキーが4年続く理由」。キリンとグリコのコラボプロジェクトから、女子向け商品のマーケティングについて学ぶ。 - できる営業マンが“他社商品”も勧める理由
一流の営業マンと言われる彼らも最初から一流だったわけではない。一流の営業マンへと変わる、「きっかけ」が必ずあったはずだ。大手菓子メーカーのグリコで活躍する営業マン、渡邊一雅さんもその1人である。そのきっかけとは……。 - 先輩の叱責をバネに巨大案件を手にしたマルコメの営業マン
大手みそメーカーのマルコメで実績を上げ続けている営業マンがいる。若手のホープとして期待される彼は、入社2年目のとき、先輩からの叱責によって行動が大きく変わったのだという。 - 契約が白紙になりそうになったとき、スゴい営業マンは何をしたのか
「営業の成績がなかなか上がらないなあ」と悩んでいる人も多いだろう。「営業の達人」と呼ばれる人は、これまでどのような経験をしているのだろうか。大きな壁にぶちあたって、そこから這い上がったエピソードを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.