“ブラック企業”の就労体験イベント、勤労感謝の日に開催 働き方考える機会に:パワハラに耐えられるか
“ブラック企業”の実態を体験できるイベントが勤労感謝の日に開かれる。参加者に「本当にいい職場とは何か」を考える機会を提供する狙い。脚本は実体験を基に制作されるという。
イベント企画などを手掛けるベンチャー「株式会社人間」(大阪市)は11月23日に、過重労働やハラスメントが常態化している“ブラック企業”の就労体験ができる企画「THE BLACK HOLIDAY(ザ・ブラックホリデー)」を東京都新宿区で開催する。参加者に「本当にいい職場とは何か」を考える機会を提供し、企業の“ブラック化”を防ぐ狙いがある。
参加者は、架空の健康器具販売会社「スーパーミラクルハッピー株式会社」の新入社員という設定で、出社、営業、販売企画・打ち合わせ、終礼――といったイベントを体験する。現時点で詳細は明らかにされていないが、その過程で「理不尽な出来事が次から次へと巻きおこる」という。演出は「あくまでエンターテインメント」だというが、不快な思いをした場合は途中退出も可能だ。
各イベントの演出・脚本は、劣悪な労働環境で働いた経験のある社会人から寄せられた実体験を基に制作される予定。同企画の公式Webサイトには、すでに「有給休暇を取ると給料から5000円が引かれる」「会長が気に入らない社員を自分の机の横に長時間立たせる」などの声が集まっている。
料金は無料。開催時間は、午後1時〜午後2時30分と午後6時〜午後7時30分の2回だが、“残業”が発生する可能性もあるという。定員は各回15人ずつで、応募者の中から抽選で選ばれる。正確な実施場所は、当選者のみメールで知らされる。
上司役などは、劇団「劇団子供鉅人」のメンバーが演じる。演出・脚本は、同劇団の創設者で俳優の益山貴司さんが考案する。デザインは、お化け屋敷の演出などを手掛ける「株式会社闇」が担当する。監修者は、労働環境改善に向けたコンサルティングなどを行う“ブラック企業アナリスト”こと新田龍さん。
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