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デザイン専門誌「MdN」が休刊、Web媒体に移行へ 「ニーズに適した情報発信が困難に」:ネットで別れを惜しむ声
デザイン専門誌「MdN」(エムディエヌコーポレーション)が休刊。ニーズに適した情報発信が難しくなったためという。今後はWebメディアとして運営していく。
出版社のエムディエヌコーポレーション(東京都千代田区)は1月10日、デザイン専門誌「MdN」(隔月刊)を3月6日発売の4月号をもって休刊すると発表した。「読者のニーズに適した情報を深度やスピード感のバランスを見ながらお届けすることが難しい」と判断したためといい、今後はWebメディアとして展開していく方針。
同誌は1989年創刊。プロデザイナーの仕事に役立つ情報を掲載している点が特徴で、デザインのノウハウ、業界動向、最新製品の紹介といった記事を届けてきた。公式Webサイトによると、発行部数は6万部。
創刊から長年にわたって月刊誌として発行してきたが、2018年10月に「買い逃したら二度と読めないような深度とボリュームで毎号作るべきだと考えており、企画の準備期間や取材時間をしっかりと取りたいが、月刊誌というペースでそれを実現するのが困難になった」として隔月化に切り替えていた。
同社は「29年もの期間、多大なるご支援とご声援をいただきましたことを、この場を借りまして厚く御礼申し上げます」「今後はWebメディアとして、いままでに変わらぬご愛顧とご支援をいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」とコメントしている。
休刊を受け、ネット上には「寂しい」「デザインの仕事で愛読していた」「ショックが大きい」「残念」など、別れを惜しむ声が相次いで投稿されている。
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