タワマンに飛びつくのは「IT業界人」、その理由は? 独自調査で分析:中古マンション購入アプリでみる(1/2 ページ)
何かと話題のタワーマンション。買いたがる人はどんな職業、年収か。中古マンション売買アプリが分析した。
不動産の中でも特に人気を誇る、タワーマンション。眺望の良さに加えて、不動産会社が多額の資金を掛けてマーケティングしたことでブランド力が高まり、話題を集めてきた。
では、実際にタワマンの購入を考える人は一体どんな層なのか。中古マンションの購入アプリ「カウル」を運営するハウスマート(東京都中央区)に、アプリのユーザーの情報を独自に集計・分析してもらったところ、IT企業勤務など特定の層に購買を希望する人が集中している実態が分かってきた。
調査は1月現在カウルに登録しているユーザーのうち、個別のタワーマンション、もしくは「20階以上の高層マンション」を購入の希望条件としてアプリに入力した約300人が対象。業種別で1位となったのは「情報処理・ソフトウェア開発業」、いわゆるIT企業勤務で、22.4%になった。2位は11.4%の「金融・保険業」となった。
IT系や金融業の人の比率が高かった背景には、タワマンは投資対象として比較的価格が落ちにくいと考えられているため、資産運用や数字に明るい職種の人が将来的な売却も想定に入れて購入を検討している点が大きいとみられる。
加えてハウスマートの針山昌幸社長によると、こうした中古のタワマンとして人気を集めているのは東京の豊洲に東雲、有明、品川といった、近年開発が進んでいるエリアの築10年以内の物件だという。六本木や渋谷といったIT企業が集積するエリアへの便が比較的良い地区に当たる。
最近では勤務先に近い物件に住むと家賃補助を出す企業が増えるなど、特にIT業界で職住近接の動きが進んでいる。勤務時間が長くなりがちな業界独特の労働環境を改善するのが狙いとみられる。針山社長は「(比較的高収入とされる)コンサルタントや商社勤務よりIT企業の人の方が総人口としては多め。彼らは特に仕事とプライベートのバランスを考え、通勤時間を短くしたいと考える傾向があるようだ」とみる。
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