餃子の王将、「7カ月連続」で過去最高売り上げ 「増税&新型コロナ」のダブルパンチを食らっても絶好調の秘訣とは:2月23日には「1日の売り上げ」最高記録を達成(1/2 ページ)
王将フードサービスが絶好調だ。2020年2月まで、7カ月連続で「同月比過去最高売り上げ」を更新。2月23日には、今期3回目となる1日単位での「創業以来過去最高売り上げ」を達成。消費増税&新型コロナのダブルパンチにも屈さずカウンターパンチを出せている秘訣はどこにあるのか。小売・流通アナリストの中井彰人氏に聞く。
新型コロナウイルスの影響が、企業を直撃している。帝国データバンクの調べによると、新型コロナの影響を受けた倒産の件数は3月11日時点で8件。そのうち半数は旅館経営や国内旅行業といった、「レジャー消費」にかかわる事業を運営していた。
小売店への影響も大きい。小売店に対してお客の分析ツールなどを提供するABEJA(東京都港区)は3月12日、同社のサービスを利用する約700店を対象にした来店者数や売上高などの推移調査結果を発表。厚生労働省が国内1例目の感染者確認を発表した1月16日以降、2月末までにかけて来店者数、店前通行者数、売上高ともに減少。3月2〜8日の期間では、店舗売上高が前年同期比の55.1%と、半減近くまで落ち込んでいる。
飲食店は、2020年が「うるう年」のため、例年よりも暦の数が1日多かったことから、それほど落ち込んでいるところは少なかった。とはいえ、19年に10%への消費増税があったことに加えて今回の“コロナショック”となれば、影響はこれから本格化してきそうだ。そんな中で気を吐いてるのが、中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス(以下、王将)だ。
王将は、19年10月の消費増税以降も20年2月まで前年同月比で100%以上の売上高を堅持。さかのぼり、19年8月から7カ月連続で「同月比過去最高売上高」を更新している。また、20年2月には直営既存店での売上高が前年同月比で110%超え(111.3%)。同23日には、1日の売上高が「3億1600万円」を超え、今期3度目となる「創業以来過去最高売り上げ」の更新となった。
同社は好調要因について、生ビールを対象に実施したキャンペーンや、マスコミへの露出増加を挙げているが、小売・流通アナリストの中井彰人氏は「王将は飲食業界の中でも“特殊”な存在だ」と前置きした上で、その他の要因からも王将の“すごさ”を分析する。
関連記事
- 課長の平均年収は932万円、部長は? 外資との「格差」も明らかに
日本で活動する企業の報酬状況が発表。日系企業と外資系企業合わせて679社が参加した。調査結果では課長職や部長職の平均年収も明らかになった。日系企業と外資系企業の報酬格差も合わせて発表し、特に役職者以上で顕著な開きがあった。 - フマキラーが新型コロナを巡る一部報道に対する“強い憤り”を発表 「3商品でコロナウイルス科の不活化に効果あり」と反論
フマキラーが、キッチン用エタノールを巡る一部報道に真っ向から反論している。既に3商品でウイルスの不活化実験をしており、新型コロナウイルスと同じ構造を持つウイルスに対して効果を確認済みとのこと。事前取材をせず、一部専門家の見解のみで「キッチン用エタノールはコロナウイルスへの効果が科学的に証明されていない」と結論付けたことにも疑問を呈している。 - 納豆、あおさ、マイナスイオン……本当に新型コロナに効果あり? 消費者庁が「客観性及び合理性を欠く」として注意喚起
消費者庁が新型コロナウイルスに関する注意喚起を発表。納豆やマイナスイオンなど、予防効果をうたう商品について、現時点では「客観性及び合理性を欠く」と判断した模様。 - 茶色いものはおいしい! マックが「ごはん」を使って仕掛ける「夜マック」の新機軸とは
マックが午後5時以降の「夜マック」で新商品を発売する。ごはんを使ったハンバーガー3種類で、2月5日から。これまで「夜マック」ではお得面が目立ってきたが、新たな機軸を打ち出した模様。茶色いものはおいしい理論を提唱する。 - 100円ショップ界屈指の高利益率を誇るセリア “安くておしゃれ”の裏に隠れた緻密な戦略とは
「安くておしゃれ」を武器に人気を拡大しているセリア。ただ安さを重視した「薄利多売」ではなく、営業利益率は競合と比較しても高い。裏側にはどんな戦略があるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.