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2008年宇宙旅行計画を立てる

 これまで宇宙飛行士のみが到達できた夢の舞台「宇宙」。2008年には、一般旅行客も宇宙体験旅行に参加することで、この舞台に足を踏み入れることができるようになる。JTBは米・宇宙旅行会社のスペースアドベンチャーズと提携し、2005年10月3日から日本における宇宙旅行の販売を開始した。そのお値段、日本円で約1200万円〜。2006年8月時点で、すでに9人の申し込みがあったという(JTB調べ)。しかも全員が全額支払済みだ。申し込み者の年齢層は、50〜60代と(意外にも)20〜30代前半とに二分されている。問い合わせ件数も絶えないとのことで、老若にかかわらず関心が高いようだ。
 なお、JTBで販売中の「世界一周クルーズ」は1500万円程度なんだとか。そう聞くと、少しだけお得な気がしてしまう。この金額を高額だと思うか、はたまたお得ととるか……?

宇宙体験旅行(弾道飛行)
宇宙体験旅行写真
宇宙旅行概念図 費用(ひとり):10万2000ドル(約1224万円/日本円目安)

 宇宙体験旅行(弾道飛行)は、地球の大気圏を離れ、宇宙空間を体感することができるコースとなっている。宇宙船は旅客機の10倍の高度、音速の3倍以上のスピードで高度100キロメートルへと急上昇し、最高高度に達するとロケット・ブースターを停止。無重力状態で約5分間宇宙に滞在する。
 飛行所要時間は1〜2時間という短いものだが、出発前にはきちんと約3日間の集中訓練が用意されている。フライトシミュレーションや加速度重力・無重力訓練といった簡単なトレーニングのほか、セーフティシステムや通信システム、天文学などについてじっくり学ぶのだ。
 このプログラムに使われる宇宙船は、ロシアの「エクスプローラー」が有力だと言われれているが、このほかにもロシアのサブオ−ビタルコ−ポレ−ション社、アメリカのXCOR社、ロケットプレ−ン社などが機体を開発している。各国で開発中の機体には、約4〜5人が搭乗できる予定だ。
 なお、スペースアドベンチャーズの宇宙旅行では、旅の記録用にビデオシステム「ロケットカム」を採用する。このシステムは船内の旅行者の様子や船外の風景などを撮影できるもの。短い飛行時間を気にせずに、一生の記念となる宇宙旅行の記録として残してくれる。



月旅行 本格宇宙旅行(軌道飛行)
月旅行 本格宇宙旅行(軌道飛行)
費用(ひとり):1億ドル(約120億円/日本円目安) 費用(ひとり):2000万ドル(約24億円/日本円目安)

 月へのフライトは、現在ソユーズ・ロケットに乗り地球の低軌道でアッパーステージ・ブースター(月へ行く際に使うロケット)に直接ドッキングを行う方法と、国際宇宙ステーション(ISS)に数日滞在した後に、月ロケットにドッキングする方法の2種類が検討されている。  月へは片道約3日間かかり、旅行期間は前者が8〜9日、後者は9〜21日となる予定である。出発前にはロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターにて、6カ月〜8カ月にも及ぶ宇宙飛行士と同様の訓練が行われる。1回の飛行で旅行者2人の搭乗が可能だ。

 軌道飛行は、ソユーズ・ロケットに乗り地球を出発し、15分以内に地球の軌道(オービット)に到達するコース。それから約2日かけてISSにドッキング、密閉していたハッチが開き、ISSでの生活が始まる。滞在期間が終わるとソユーズ・カプセルに乗り込み、大気圏に再突入し地球に帰還となる。  この旅行の出発前には十分な準備とトレーニングが必要。月旅行と同じくロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで、無重力・超音速・宇宙船トレーニングなどの訓練を積まなければならない。この飛行は1回1人のみが体験できる。

このページの商品に関するお問い合わせ先

JTB丸の内支店 スペースプロジェクト  03-5220-7350

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取材・文/+D Style編集部

取材協力/JTB

写真提供/スペースアドベンチャーズ社