e-Day:エプソンとキヤノン,プリンタを巡って壮絶な年末商戦へ
| 【国内記事】 | 2001.10.02 |
スタッフの多くが幕張メッセのCEATEC JAPANに吸い寄せられてて手薄になったこともあって,久しぶりにキヤノンのデジカメ&プリンタ発表会に出掛けた。
前日に国内シェアトップのエプソンが業界最高の解像度を誇る冬モデルの発表を行ったばかり。家庭向けインクジェットプリンタの最大の需要期がこれからやってくるため,猛追するキヤノンも思いっきり力が入っている。これまで親しまれたWonderBJのペットネームもあえて「PIXUS」(ピクサス)に一新し,年末商戦に備える。
ところが紺屋の白袴とでも言おうか,個人的には最新プリンタ事情に疎く,浦島太郎状態。家で使っているプリンタは3台と数はあるが,最新式ではない。デジカメはエプソンのPT-100(初代プリントン)で印刷し,デスクトップにはNECのPICTY860(ヒューレット・パッカードのOEM)を接続してあり,ノートブックからは赤外線インタフェースを利用してキヤノンのBJC-80vに出力をしている。PICTYはそこそこ新しいものの,PT-100は1998年,BJC-80vに至っては1997年の製品だ。
エプソンのプリントンを買ったころは,写真画質では同社のマッハジェット方式に一日の長があった。しかし,ここへきて2番手に着けるキヤノン製品の画質が肩を並べるまでになってきたという。もはやフツーのユーザーには画質の違いは分からないところまできており,昨年,そして今年と2社の争いは熾烈になっている。
エプソンは依然として50%以上のシェアを確保しているが,写真入りの年賀状をきれいに印刷したいと考えて購入するユーザーがほとんどの市場で,HP/NEC陣営の苦戦が続いた。HP/NECは10%近くへシェアを落としているともいわれ,キヤノンのBJプリンタはこれを食う形で2000年の35%から大きくシェアを伸ばすとみられている。
今年の年末商戦のポイントは,エプソンが2880dpiという業界最高峰の高解像度を新製品でアピールしたのに対して,キヤノンは解像度で2400dpiと若干譲るもののスピードで勝負を挑むというところだろう。
キヤノンは,フラグシップのBJ F900で各色のノズルを512に増やし,合計3072のノズルをヘッドに組み込んでいる。半導体と同じやり方で作るため,21ミクロン(1200dpi相当)単位でノズルを配置できる。合計672ノズルというエプソンとは大きく違う構造だ。エプソンも極小のドットで塗りつぶすことで高解像度を誇るが,スピードの差はいかんともしがたい。
発表会でキヤノン販売の村瀬治男社長は,「シェア40%に向けて磐石の構え」と自信を見せる。さらにインクジェットプリンタの企画を担当するマネジャーは,「年末商戦ではシェア45%で肩を並べたい」と強気だ。
キヤノンの社長,御手洗冨士夫氏は,2005年までにすべての事業を世界ナンバーワンにするという「グローバルエクセレントカンパニー構想」をぶち上げている。2位に甘んじるデジタルカメラとデジタルフォトプリンタは相乗効果を出しながら,是が非でもトップを獲らなければならないのだ。
この勝負は見ものだと思う。
[浅井英二 ,ITmedia]
