e-Day:OEM版Windows XPの怪しい魅力,マイクロソフトは片目をつぶる?
| 【国内記事】 | 2001.10.25 |
25日の午前零時,電気街のPCショップ,特にDOS/Vパーツ系が「OEM版」のWindows XPを一斉に販売した。深夜のカウントダウンは,Windows 95のときの世界的なお祭り騒ぎ以来,半ばお約束となっている。
私もWindows 95のローンチイベントを取材するため,ワシントン州シアトルに出掛けたとき,深夜にタクシーを飛ばしながらショッピングモールを回った。翌日,新聞のトップは,時差の関係でひと足早くWindows 95のパッケージを手にした香港の若者たちの笑顔が飾り,テレビは,ニューヨークの象徴であるエンパイアステートビルがWindowsカラーでライトアップされることを伝えた。
数カ月後のアキバでは,NECや東芝の幹部までがそろいのハッピや帽子をかぶって電気街を練り歩いて気勢を挙げた。深夜だというのに人出はお祭り並みだった。
そんな世界的,国民的な行事とは比べようもないが,OEM版Windows XPの出荷を祝うカウントダウンもそこそこの盛り上がりを見せた。OEM版という怪しさもあってか,一時は暗闇にマニアの長い列が出来,プレス関係者がカメラのフラッシュをたいた。
そもそもこのOEM版は,オリジナルブランドを製造,販売するPCショップのために用意された少量のライセンス方式。PCショップによってプリインストールされることが前提のはずなのだが,なし崩し的に何でもかまわないからパーツと一緒なら買えるようになっている。
本来の趣旨からすると,せめてマザーボードやCPUとのセットでなければおかしいのだが,ほとんどのショップは,普段は980円で売られてたりするバルクのSDRAMとセットにして売った。FDDを組み合わせるところもあり,要するに最も安いパーツであれば何でもいい。目的はあくまでWindows XPを合法的に売ることなのだから。
大通りに面した「TSUKUMO eX.」の店頭でIDGのKさんと出くわした。彼も私も単なる野次馬だ。「パチンコの景品を換金するみたいに,“メモリ買い取ります”ってのも考えたらしいよ」と教えてくれた。ツクモらしい。
リテールに強いビジネスコンピュータニュース誌(BCN)の某美人記者もいる。
「サポート? マイクロソフトは片目をつぶってる」と彼女。1次サポートはOEM版のルールどおり,マイクロソフトはしないが,利用者登録(アクティベート)はする,ということらしい。
深夜の商戦の方はといえば,「Pro Plus!」と呼ばれるWindows XP ProとPlus!のバンドルに256MバイトのSDRAMを付けて2万699円で売った同店の圧勝。午前零時を10分くらい回ったころ,Pentium 4の巨大なパッケージを頭からかぶったツートップのサンドイッチマンが乱入してビラを配り始めたが,既に勝負はついていた。
OEM版のお祭り度からすると,11月16日のパッケージ版リリースはかなりの盛り上がりを期待してしまうが,翌日会ったBCNのA記者は,「PCのリテール市場は,NEC,富士通,ソニーの御三家が7割から8割を握る寡占状態ですよ」と冷めた口調……。
パッケージを買うのがマニアなら,OEM版を買ったのは超マニア。どうせ私は野次馬だよ。
[浅井英二 ,ITmedia]
