日本のCRMをmySAP CRMで変える,SAPジャパンがCRMセミナー開催
| 【国内記事】 | 2001.11.09 |
SAPジャパンは11月9日,日本オラクルのお膝元,ホテルニューオータニに乗り込んで,mySAP CRMソリューションを紹介する850人規模のセミナーを開催した。
オープニングセッションに登場した同社の藤井清孝社長は,日本企業が収益性を高めるために,低コスト体質への転換を図らなければならないと訴えた。フォーチュン500の21%は日本企業だが,彼らの売上高収益率の平均は,わずか1.5%で,他国の企業は比較にならないほど低い。
「これを,連結で見るとさらに悪くなる」(藤井氏)
SAPは,mySAPとしてラインアップするソリューション体系を,企業に付加価値を与えるものと,企業のインフラとして必要なものの2つに分けて捉えている。今回のトピックであるCRMは,付加価値の源泉となるソリューションの1つだ。
藤井氏は,「基盤システムにR/3が入っていない企業と話すとき,これまではモゴモゴ言いながら商談を進めてきたが,これからはキチンとした製品として提供できる」と話す。
以前のバージョンは,R/3の販売管理アプリ(SD)がなければ稼動しなかったが,SAP CRM 3.0は,単体での導入も可能。レガシーシステムや他社製ERPと連携させることもできる。
この後に講演したSAPジャパンのCRMビジネスデベロップメントディレクター,三村真宗氏は,既にレガシーと連携させて導入を進めている企業があることを紹介する。会計系アプリはSAP,生産系にレガシーを使っているこの企業では,将来生産系もR/3を採用し,全社でSAPを稼動させたい考えという。
顧客ライフサイクルを管理せよ
今回のセミナーでSAPジャパンが最も強調したのは,CRMモジュール単体を見るのではなく,企業のビジネスプロセスを顧客の視点から捉え直すことの必要性だ。
基調講演に登場した札幌スパークルのシステムコーディネーター,桑原里恵氏は,「これからのCRMには,顧客とのタッチポイントをマルチにして,それらを一元管理することだけでなく,顧客ライフサイクルの統合を行うことが重要になる」と話す。
顧客が商品を購入してから,タイミング良く情報を提供したり,オプション製品を薦めることで,優良顧客として囲い込むアプローチをシステム化すると効率的だ。これは既に語り尽くされていることだが,桑原氏の未来像は,SAPのアプリケーション連携と一致する。
モジュール間,グループ企業間で分断されている情報を統合し,顧客のニーズを可視化する。そしてSCMの予測エンジンに情報を提供して顧客ニーズの変化に柔軟に対応できるシステムを作り上げる。中でも重要なのは,ビジネスプロセスそのものの変革だ。
「CRMを前提とする企業システムの構築アプローチが必要になる」(桑原氏)
SAPの三村氏の講演でも,ビジネスプロセスを顧客志向に変えることの重要性が強調された。SAPが第3世代のCRMと位置付けるmySAP CRMソリューションは,SAP CRMアプリケーションを,そのほかのアプリケーションと連携させることで,企業のビジネスプロセスを,桑原氏の言う「顧客ライフサイクルの管理」志向へと変革させるものだ。
三村氏は,「財務の視点から経営全般を見れば,後手後手に回ることになる。まず経営理念や企業ビジョンをバランストスコアカードの発想で捉えなければならない」と話す。
「第3世代のCRMを提供できるのはSAPだけだ。日本のCRMをmySAP CRMで変えていく」(同氏)
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[井津元由比古 ,ITmedia]
