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日本ユニシス島田精一社長 新生日本ユニシスのキーワードは「Re-Enterprising」

大規模Windows 2000システム向けサーバ製品で,現在圧倒的な性能の高さで業界をリードするのが日本ユニシスの「Unisys e-@ction Enterprise Server ES7000」(ES7000)だ。システムインテグレーションやアウトソーシングなどには定評があるが,「ハードウェアが弱い」と言われることもある同社にとって,ES7000は最も重要な製品の1つとなっている。
 同社を率いるのは,2001年6月に社長に就任した島田精一氏だ。三井物産出身の同氏はイタリアやメキシコなど世界を渡り歩いた元商社マン。三井物産時代はIT関連企業を50社以上設立し,30社以上の整理/統合,合併も経験した。経団連の情報通信委員会国際問題対応打合会座長も務める島田氏に日本ユニシスにとっての2002年を聞いた。また,「逃げないこと」を信条とする同氏の話は,ビジネスマンの心得についても示唆に富んでいる。

ZDNet 日本ユニシスにとっての2001年はどんな年でしたか?

「ソフトとサービスで高技術者集団になりたい」と島田氏
島田 「Re-Enterprising」をテーマに新生・日本ユニシスを構築することを発表しました。Re-Enterprisingでは,今後も高い成長が見込めるサービス分野にフォーカスします。

 私が目指す新しい日本ユニシスのキーワードは,顧客価値創造企業,コスト競争力の強化,企業風土改革,個を生かす企業,グループ戦略の強化などです。縦の組織では新しい時代に対応できないので,横串を入れて水平的な組織に変革するつもりです。41.2歳という平均年齢を若返らせるため,特別退職制度なども導入していきます。

ZDNet 経団連の情報通信委員会国際問題対応打合会座長として,IT市場をどう展望しますか?

島田 米国を中心に盛り上がったITバブルの崩壊で,IT革命がスローダウンしたとする見方も多いでしょう。しかし,ナスダック指数で見ても,現在の水準は5年前の2倍です。テクノロジーの裏付けのない企業が落ちただけで,IT全体としては着実に成長しています。

 今後,ブロードバンドが進展し,IPv6が普及することで,PDAやデジタルテレビ,オーディオ機器がインターネットにつながるようになります。2002年あるいは2003年には,デジタル家電が登場してきます。デジタル家電はまさに「日本の出番」ということになるでしょう。

ZDNet ES7000はユーザーにどんなメリットを提供しますか?

島田 ES7000の最も大きな特徴はサーバ統合が可能になることです。100台のマシンが必要なところでも,ES7000なら1台に収めることができる。キャパシティが大きいため,余った分をデータベースのアプリケーションなどさまざまなを用途に使えるからです。場所が1台分で済むことや1カ所でメンテナンスできるコスト面でのメリットにより,TCOを大きく下げることができます。(オープンなシステムだが)コンセプトはメインフレームなんです。

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[聞き手:怒賀新也 ,ITmedia]