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日本BEAシステムズ ギャレット・イルグ社長 次はWebLogicをインテグレーション分野の標準に

IBM,オラクル,HPなどのIT市場の巨人たちを向こうに回し,J2EEアプリサーバ市場の第1ラウンドで勝利した小さな巨人,BEAシステムズ。同社が次に目指すのが,インテグレーション分野のデファクトとアジア市場への進出だ。そこで日本BEAのギャレット・イルグ社長に,次の一手について話を聞いた。

ZDNet 2001年2月に米国テキサス州ダラスで開催された「eWorld 2001」カンファレンスで,日本BEAシステムズが2000年に2倍の成長を遂げたという話を聞きましたが,2001年はどのような年でしたか。

「次の目標はWebLogicをインテグレーション分野の標準にすること」
イルグ まず今年1年は,日本にとっても世界にとっても大きな変化を遂げた年だと言えるでしょう。

 特に,9月11日の同時多発テロ以降,非常に大きな変化が起きていると思います。米国では,他社でもそうだと思いますが,BEAも非常に大きな影響を受けたといえるでしょう。テロの影響で日本のビジネスのチャンスが縮小したとか,実際にプロジェクトが消滅したことはありませんが,意思決定のスピードが減速しているのは事実です。

 ただ,日本BEAシステムズとして2001年の初めに目標値を定めたのですが,それに対し非常によい成長を遂げたことが報告できると思います。われわれは,今後も早いスピードで成長していくでしょう。日本のインターネットインフラへのシフトは,ほかの国で何があろうとも継続されることは間違いないのです。

 また,人員の強化も行っています。顧客サービス部門が2倍に,営業部門およびプロフェッショナルサービス部門を3割増員しています。売り上げについても拡大していますが,残念ながら今はまだ発表することはできません。数字的な成長も確かに重要ですが,それ以上に重要なのが,数々の非常に素晴らしい顧客企業と一緒にビジネスを行うことができたということです。

ZDNet 2001年は大阪にもオフィスを開設し,ビジネスエリアも拡大しましたね。

イルグ 以前,三菱電機に在籍していたときに,福岡,京都など,幾つかの西日本地域で仕事をしたことがあります。当時からすれば,状況は変わっているかもしれませんが,今も変わってないのは,西日本地域には数多くのビジネスチャンスがまだまだ眠っているということです。これは,われわれだけでなく,パートナー企業や顧客企業,さらには競合企業までもが同様に考えていると思います。

 そこで,西日本地域のパートナー企業とより深い関係を築き,最大限のサービスを提供することを目的に西日本オフィスを開設しました。大阪を中心に,西日本地域に向けた「技術的なゲートウェイ」になってほしいということはもちろん,アジア太平洋地域に向けたゲートウェイに育ってほしいと思っています。

ZDNet 2002年はアジア太平洋地域にもビジネスエリアを拡大するのですか。

イルグ 2001年の暮れに,暫定的ですがアジア太平洋地域の責任者を任されました。そこで2002年は,日本だけでなく,韓国,台湾,中国,シンガポール,インド,オーストラリアなど,アジア太平洋地域全域のビジネスも視野に入れなければならなくなったのです。

 現在,BEAのビジネスは,日本だけでなく,中国をはじめシンガポール,マレーシアなど,すべての地域で大きな成長を遂げています。ですから今は,日本に1週間居て,次の1週間は海外へ,そしてまた日本に戻るという忙しい毎日です(笑い)。

ZDNet アジア太平洋地域の現状は,どのようなものなのでしょう。

イルグ 日本は既に,TPモニターである「TUXEDO」のビジネスからWebアプリケーション構築プラットフォームの[WebLogic」にビジネスがシフトしています。ほかのアジアの国々では,TUXEDOからWebLogicにちょうどシフトし始めた時期といえるでしょう。日本も2年前までは,売り上げの90%がTUXEDOでしたが,今では60%がWebLogicで残りがTUXEDOです。中国でも既にTUXEDOとWebLogicの売り上げが半々くらいになっています。