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SAPジャパン 藤井清孝社長 R/3からCRM,SCMへ,そしてポータル元年

SAPジャパンは,「R/3だけのSAP」から脱却し,アプリケーション連携で,顧客企業のベストプラクティスを実現しようとしている。2001年,特に力を入れるCRMでは,SAP CRM 3.0ソフトウェアを発表。また,mySAP SCMソリューションの中核となるSAP APOソフトウェアも強化されている。同社の藤井清孝社長に2002年の抱負を聞いた。

ZDNet 世界的に景気が低迷した2001年ですが,SAPジャパンのビジネスを振り返っていただけますか?

「われわれの製品は企業の競争力を高めるもの」と藤井氏
藤井 こういう経済環境にあっても,われわれにとってはいい1年を過ごせました。2000年から2001年にソフトウェアビジネスで約35%成長しました。また,コンサルティングサービスも,同じくらい伸びています。

 ただし,好調な業績に浮かれていてはいけません。われわれは,もともとニーズがある企業にソリューションを提供するという立場ですから,結果としての業績という通知簿を真摯に受け止めたいと考えています。採用してくれる企業は,ある意味,SAPと心中してくれるのです。

ZDNet 2001年には,特にmySAP CRMソリューションの浸透に力を入れましたね。

藤井 われわれがシーベルを追い越すのは時間の問題でしょう。製品そのものの機能はもとより,グローバルの顧客ベース,多くの先進事例,優れたパートナー企業……。十分に体制を整えました。ソリューションカットで語るCRMは,まだ夜明け前。われわれは2002年にCRM市場に大攻勢をかけます。2002年の秋にはJava版の次世代SAP CRMソフトウェアを出荷する予定もあります。

ZDNet 秋といえば,いよいよSCEM(サプライチェーンイベント管理)ソフトウェアも出荷する計画があると聞きました。

藤井 CRMと同時期に出荷する計画です。顧客から見たサプライチェーンの問題は,需要/供給の予測だけでなく,イベントや実行系ソフトウェアによって解決できるものです。これは,需要/供給の予測によって在庫を最適化していた企業が,不測の事態が起こったときに在庫の山に悩まされることがないようにするソリューションです。このようなソフトウェアを,SAPというソフトウェア企業がきちんとラインアップしたことで,ユーザー企業の抱えている問題をソフトウェアの組み合わせで完全に解決できるというビジョンを見せることは非常に大きいと感じています。

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[聞き手:井津元由比古 ,ITmedia]