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エクストリーム ネットワークス 楢原良康代表取締役社長 「キャリア市場のデファクトスタンダードに近づいた」

コストパフォーマンスの高いワイヤスピードのスイッチ製品で,一躍市場の注目を集めたエクストリームネットワークス。同社は今,「Ethernet Everywhere」というビジョンを現実のものとするべく,エンタープライズ市場のみならず,キャリアやサービスプロバイダー市場においても着々と地歩を築いている。その歩みを楢原良康社長に振り返ってもらった。

ZDNet 昨年を振り返っていかがでしたか? 景気後退の影響などはありましたか?

「お題目に終わらず,きちんとビジョンを実現してきた」と語る楢原氏
楢原 われわれはブレーキがかかったとは思っていません。昨年はブロードバンド元年と言われるように,ラストワンマイルにADSLやCATVがたくさん導入されました。またFTTHも使われるようになり,新しいサービスが登場しています。そのおかげで,われわれの提供するMAN(Metropolitan Area Network)構築というソリューションが,急速にISPやキャリアの間で使わるようになりました。こちらのマーケットが大きく伸びたと思います。

 一方エンタープライズのマーケットを見ても,情報は企業経営において重要な要素である,競争力向上の原動力であるという認識に立って,われわれの機器を採用し,ますます積極的にインフラを構築されたお客さんがたくさんありました。したがってエンタープライズのマーケットでも伸びがありました。

ZDNet 具体的にはどの程度の成長があったのでしょうか?

楢原 われわれの場合フィジカルイヤーは6月に終わるんですが,一昨年と昨年の6月を比べると,台数においても売上においてもだいたい2倍は達成しています。また,これまで知名度があまりなかったのですが,それが高くなっているとも実感します。市場もできてきましたね。

ZDNet このようにユーザーに受け入れられた理由をどう分析していますか?

楢原 まず何よりも大きな理由は,ポート数が今までの製品に比べて多く,ポート当たりの値段も安いということでしょう。

ZDNet エクストリームはかねがね,「Ethernet Everywhere」というビジョンを掲げ,イーサネットをラストマイルに拡張するというモデルを提唱していました。それがいよいよ現実のものになってきたということですか?

楢原 はい。まず創設当時からわれわれは,小さいけれど小回りが利く会社として,マーケットにフォーカスしてきました。つまりきちんとフォーカスを持って製品を開発し,新しいテクノロジを市場に紹介し,市場のニーズを汲み取ってそれに対応するということを続けてきました。

 それが実を結んで,一昨年,昨年,この半年と,着々と通信事業者をエンドユーザーにすることができています。これには,顧客満足度を第一にしてお客さまから意見をいただき,吸収したことを米国本社に流して,本社と一体になって製品作りとサポート体制の強化に努めてきたことが大きいと思います。

 もちろんそれ以外にも,われわれが最初から提唱している「Ethernet Everywhere」「Internet Everywhere」というカンパニービジョンをベースに,ワイヤスピードのスイッチングを基調とする製品の開発を行ってきました。また,10ギガビットイーサネット(10GbE)やMPLS,IPv6といった新しいテクノロジにも対応しています。そうしたことが一体となって,ここまできたのだと考えています。

 それ以外にも,「Go Purple」というパートナー戦略を掲げて,さまざまなパートナーと組んで全体のソリューションを提供してきました。

 この1年は,こうした一連のことが,ただのお題目ではなく実際に動き出したということだととらえています。重要なのは,われわれはただお題目を言うだけではなく,それをきちんと実現してきたということです。

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[聞き手:高橋睦美 ,ITmedia]