「本気でIPv6をサポートする」エクストリーム
| 【国内記事】 | 2002.3.27 |
エクストリームネットワークス(エクストリーム)は3月27日,同社の独自ASIC「Summit iチップセット」を搭載したすべてのプロダクトで,IPv6をサポートすることを発表した。
同社は先に,コアネットワーク向けのフラグシップ製品「BlachDiamond」でのIPv6サポートを表明。昨年秋以降,国内の大学やキャリア/ISP,研究機関などと共同で,IPv6機器の評価テストを続けてきた。
この日の発表ではSummit i チップセットを搭載した全製品,つまりBlackDiamondのほかSummitやAplipneシリーズでも,IPv6ルーティング機能をサポートすることが明らかにされた。IPv6の分野では世界的に見てもマーケットリーダーとなっている日本市場において,本格的にIPv6に対応する姿勢を示した形だ。
具体的には,同社の専用OS「ExtremeWare 6.2.1」をベースにして,IPv6ルーティング機能を実現する追加ソフトウェア,「General Availability 1」(GA1)を,今年第3四半期にリリースする予定だ。ここでは,テストベッドで利用されていた「Tech Release Code」でサポートされていたIPv6ルーティング機能やICMPv6,RIPng,DHCPv6のほか,IPv6 MIBなどが実装される予定である。
その後リリースされる予定のGA2では,NAT-PTによるアドレストランスレーション機能やIPv6 over PPP over SONETなどがサポートされる方針という。
ネットワークプロセッサモジュールでパフォーマンスも向上
エクストリームの製品では元々,プロトコルVLAN機能を活用してIPv6のブリッジングが可能だったうえ,改めてExtremeWare上でソフトウェア的にIPv6ルーティングがサポートされた。だが同社のコアともいえるSummit iチップセットは,現時点ではまだIPv4に最適化されたものである(現状ではもっともだが)。
ASICによる「ワイヤスピードのパフォーマンス」を常に特徴としてきた同社だけに,ソフトウェア的なルーティング処理には,パフォーマンスの点で不足の感が否めない。そこで,パフォーマンスを補うためのネットワークプロセッサモジュールも同時にリリースされた。
このモジュールはBlackDiamond向けに,同じく今年第3四半期にリリースされる予定だ。バックプレーン容量は4Gbpsで,価格は790万円を予定している。同社ではまた,Alpine向けにも同様のネットワークプロセッサモジュールを提供する計画という。
なお,現時点ではまだ仕様は定かではないものの,次世代ASICにおいては,10Gbpsサポートのみならず,IPv6ルーティング機能も標準で組み込まれる見込みという。
エクストリームに先立ちIPv6のサポートを表明したベンダーには,シスコシステムズやジュニパーネットワークス,あるいはファウンドリーネットワークスなど,幾つか有力な機器メーカーが含まれるが,「エクストリームのIPv6開発陣には,IETFにおけるIPv6標準化活動に参加していたメンバーが数多く在籍している。また,昨年秋のNetWorld+Interop Atlantaでは,IPv6の相互接続性デモにも参加した。何より,エクストリームの本社では,日本を非常に重要なマーケットと見ており,日本から挙げられるリクエストに対応する体制を整えている」と,同社マーケティングディレクター,森茂人氏は自信を見せる。
複数のISPがIPv6試験サービスを展開している今,課題はエンタープライズ市場におけるIPv6の導入といえそうだ。Summit48iを採用してIPv4/IPv6デュアルスタックのネットワークを構築した電通国際情報サービス(ISID)のような例もあるが,国内で実際にIPv6ベースのネットワークを導入した企業は数件程度と同社も認める。広域LANサービスに代表されるレイヤ2サービスとの組み合わせによって,フラットかつシンプルなネットワークが実現できる可能性もあるとはいえ,まだ模索は始まったばかりだ。
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[高橋睦美 ,ITmedia]
