| エンタープライズ:トピックス | 2002年5月24日更新 |
独自アーキテクチャをベースにプロアクティブなマネージドサービスを提供するデータクラフト
データクラフト・ジャパンはこれまでも,データクラフトアジアグループおよびディメンションデータグループの一員として,各種インテグレーションサービスを展開してきた。だがこの1〜2年は,事業の重心を,徐々にプロフェッショナルサービスへ移してきたという。
グループ全体として,顧客ネットワークの運用・監視を目的とした独自のグローバルネットワークを構築し,世界13カ国,60カ所以上にネットワークオペレーションセンター「STARtrac」を設置。これらを基盤に,ネットワークの設計・構築から保守,運用監視,あるいは技術教育といった,さまざまなサービスを展開している。
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| 都内に設置されたSTARtrac。万一STARtrac自体に障害が発生しても,他エリアのSTARtracで監視を引き継げるようになっているという |
キャリアやISPにとらわれない独立系ベンダーとしてサービスを提供していること,また,グループ全体で共通かつグローバルなフレームワークに沿ってサービスを展開していることが特徴だと,同社マーケティング部シニアマネージャの平井賢吾氏は述べている。
ポータルでリアルタイムに情報を提供
一連のサービスの中でも,運用支援サービスのInsiteは,LAN,WAN,サーバにわたる顧客ネットワークの運用状況を,24時間365日体制で監視・管理するサービスだ。ネットワークの状況確認や障害対応のほか,各種機器の設定やパフォーマンスについても,監視・管理を行っている。顧客ネットワークとSTARtracは専用線で結ばれ,セキュリティを維持する。国内でも,先述の森ビルを含め,10社前後がこのサービスを利用している。
「帯域の増大や技術の進化を受けて,ネットワークシステムは非常に複雑化している。投資コストや人的リソースを考えると,もはや自社で管理できないレベルに達してきた。Insiteはこの部分をサービスとしてサポートするものだ。単なる機材提供や保守に終わらず,ネットワークシステムが24時間365日,しっかり動くように支援していく」(同社サービス部,シニアビジネスディベロップメントマネージャのアーウィン・マッティー氏)
とはいうものの最近では,キャリアやISP,あるいはシステムインテグレータなどさまざまな企業が,同様にマネージドサービスを展開している。こうした他社のサービスに対し,データクラフトならではの特徴は,「ポータルサイトを通じた,リアルタイム,かつきめ細かなレポート」(マッティー氏)にあるという。
このポータルサイトでは,ネットワークで発生しているイベントのほか,監視対象となる機器の稼働状況が把握できる。さらに,機器に搭載されているOSや設定情報まで確認が可能だ。一連の情報は5分間隔で更新される。その一方で,日・週・月といった単位で,ネットワークの傾向を分析したレポートも提供されるようになっている。
仮に,パフォーマンスがあらかじめ設定した閾値を超えるなどした場合には,電子メールやページャーなどを使って顧客に通知がなされる。同時に,STARtrac側では即時にリモートサポートを提供する仕組みだ。
なおInsiteでは,ユーザーのニーズに応じて,3段階のサービスレベルを選択できる。ベーシックサービスの「レベル1」,パフォーマンス管理を含めた「レベル2」,プロアクティブなネットワーク運用支援を行う「レベル3」だ。しかも,システム全体に1つのレベルを適用するのではなく,機器やセグメント,あるいは重要度に合わせてチョイスできるという。
いずれを選ぶにしても,顧客は同じく専用ポータルサイト上で,サービスレベルが保たれているかどうかを確認できる。万一SLA違反があった場合でも,対応の進捗状況が示されるため,まだ手付かずなのか,原因切り分けの最中か,あるいは対応中かといった具合に,状況を把握することが可能だ。
リアクティブからプロアクティブへ
Insite最大の特徴であるポータルサイトは,幾つかの商用製品に,同社が独自に開発したツール群を組み合わせて実現されている。各コンポーネントは,ミドルウェアを通じて情報を共有・連携しており,サービスの追加や障害対応といった作業をスムーズに行えるようにした。同社はこれを「GSOA(グローバル・サービス・オペレーティング・アーキテクチャ)と表現している。
「既存のマネージドサービスは“何かが起きてから対応する”という,リアクティブな障害監視。しかしこれから求められるのは,障害が起きる前に,プロアクティブにそれを察知する,パフォーマンス管理だ。われわれが作り上げてきたGSOAは,リアクティブな監視からプロアクティブな管理へのシフトを実現し,ひいては高度なSLAを可能にする」(マッティー氏)
同社では今後,ポータルサイト画面のローカライゼーションを進めるとともに,アプリケーション管理にも取り組んでいく方針だ。
既に海外では,SQL ServerやOracleなどのデータベースについて,モニタリング・管理サービスを提供しているという。ネットワーク管理とは異なるさまざまな課題があるのは事実だが,ゆくゆくは国内でも,データベースやWebアプリケーションのモニタリングサービスを展開していきたいとマッティー氏は語っている。
関連リンク
[高橋睦美 ,ITmedia]

