| エンタープライズ:トピックス | 2002年6月04日更新 |
「大人のWebコミュニティー」を目指すKE推進コミュニティー設立
遠藤氏は、企業が高品質な製品・サービスを提供するだけでなく、人材やビジネスプロセス、企業文化といった側面にも秀でる「知的企業体質」に生まれ変わらなければならないと考えている。同氏は、その知的企業体質を実現する企業を「ナレッジ・エンタープライズ」と呼び、その頭文字を取ったのがKE(Knowledge Enterprise)だ。これは、従来のナレッジマネジメント(KM)を発展させた概念とも言え、同コミュニティーでは、日本KM学会などのKM推進を図る団体とも交流を深めたい考えという。
この日のカンファレンスでは、同コミュニティーのキックオフとして「ナレッジ・エンタープライズ Tokyo 2002」が併催され、SAPジャパンと共にKE推進コミュニティーに企画参画するジャストシステム、PwCコンサルティング、ニューチャーネットワークスグループの代表が講演した。現在のところ、スポンサーとして企画参画する企業は、上記のほかにリアルコム、SASインスティチュート、デジタルガレージ、CSKで、合計9社。協賛費用は年間25万円。会員向けに広告活動を行ったり、調査協力依頼を行う場合は、別途経費が必要になる。
KE推進コミュニティーの具体的な活動は、同日開設されたWebサイトに、KEの実現を目指す企業のキーマンを参加無料で集め、活発な討議をオンラインで行わせること。これにより、彼らの交流を図り、「大人のWebコミュニティー」として機能させることを目指す。一種の掲示板サイトだが、登録ユーザーのみがアクセス可能のクローズドな環境で議論が行われる。現在は入会申し込みだけが可能で、7月15日より本格的な運用を開始する予定だ。
このようなサイトでは、書き込み多さが活性化のカギを握る。このため、初期は、議論を活発化させるべく、遠藤氏やジャストシステムのエンタープライズ事業推進室長、松田潤氏などがナビゲーター役を務めるという。遠藤氏によれば、コミュニティーの詳細が固まるのは6月の後半になってからだが、分科会の数を増やしたり、初心者が質問しやすいように匿名で書き込める仕組みを提供するなど、Webサイトの本格運用後にも柔軟にスタイルを変えていく計画だ。
遠藤氏は、CSKの取締役を務めていたころに、同じような社員向けコミュニティーを定着させた経験があるという。企業経営への問題意識を持ち、かつ意思決定権を持つか、意思決定権者にアドバイスできるポジションにある層を取り込み、彼ら同士が相互交流する場として高度なWebコミュニティーを提供するというアプローチは面白い。うまく運用できれば企業内のシステム利用者が何を考えているのかを把握し、スポンサー側がより良いITシステムやサービスの提供に役立てることが期待できる。
反面、同コミュニティーがターゲットとする会員層にWebコミュニティーという存在が浸透していないことがネックとなる。利益追求型のビジネスでなく、「真剣に取り組む人がネット上でワイワイやってくれる」(同氏)ことを意図して設立された同コミュニティー。だが、実際に掲示板に書き込むのは総アクセスユーザーの1%以下とも言われており、成功を焦らず、長期的な視野に立った運営が求められることになる。
同コミュニティーの運営委員会は、会長にPwCコンサルティングの倉重英樹社長、副会長にジャストシステムの浮川和宣社長とCSKの有賀貞一副社長を迎える方針。運営委員会では、年間50社のスポンサーと、2002年末までに1000人の個人会員獲得を目標としている。
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[井津元由比古,ITmedia]
