エンタープライズ:トピックス 2002年6月28日更新

ハイペリオン、統合BIプラットフォーム「Hyperion Essbase XTD」発表

 ハイペリオンは6月28日、同社の主力製品である多次元分析ソフトウェア「Hyperion Essbase」の周辺機能を大幅に増強し、統合BIプラットフォーム「Hyperion Essbase XTD」として出荷することを発表した。

 Hyperion Essbase XTDは、OLAPサーバであるHyperion Essbaseのスケーラビリティや分析機能をコアし、その周囲に複数のソフトウェア/ツールを配したBIプラットフォーム。これまでOLAP分野で実績のあったHyperion Essbaseを、全社的なナレッジ共有/再加工を加速するための製品へと進化させもので、その最大の特徴は、まだCube化しておらず、RDBに格納されているデータも自在に分析できる「ハイブリッド分析」機能が搭載されていることだ。

 ハイブリッド分析機能は、頻繁にアクセスするデータはCube化しておき、例えば、年次会計処理のときだけ参照したいデータをそのままRDBに残しておくといった使い方を可能にしてくれる。あまり使わないデータをCube化する作業工数を削減できるほか、これまで使わなかったデータをマッピングして、さらなる情報の利用を促すことなどが期待できる。

 性能面では、コネクションのプール化や多次元データベース(メタデータの集合体。Cube)のクラスタリングを可能にする新製品「Essbase Enterprise Service」によって、スケーラビリティ/パフォーマンスが強化された。

 新たにサポートするアーキテクチャは、J2EE、XML、LOLAP、LDAP、.Netといった業界標準。また、これまでクライアント/サーバ向けのみに提供していた「スプレッドシート・アドイン」も、HTTP/HTTPSプロトコルに開放し、Webブラウザから同機能を利用できるようになった。

 そのほか、新しい統合利用環境や、強化された管理者向け機能なども提供される。

 Hyperion Essbase XTDを構成する主要製品の概要は、以下のとおり。7月より、製品単位で順次出荷する。

製品名 概要
Essbase OLAP Server 製品のコアとなるOLAPサーバ
Essbase Integration Services RDBとEssbaseとのメタデータ統合管理ツール
Essbase Administration Services 3層構造で100%Javaの管理コンソール
Essbase Enterprise Services クラスタリングなどをサポートするミドルウェア
Hyperion Analyzer エンドユーザー向けフロントエンド分析ツール
Hyperion Application Builder Webベースのフロントエンド環境構築ツール
Hyperion Central ハイペリオン製品のローンチパッド
Essbase XTD Q&R クリスタルディシジョンズ製品をエンジンとするRDB対応レポーティングツール
Hyperion Reports Essbaseの定型帳票レポーティングツール

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[井津元由比古 ,ITmedia]