エンタープライズ:ニュース 2002/07/17 20:54:00 更新


新製品「WindNet IPv6」の投入でIPv6対応製品開発を促進するウインドリバー

ウインドリバーは、IPv6対応のデジタル家電やネットワークインフラ機器などの開発を促進し、迅速な市場投入を可能にする新製品「WindNet IPv6」の提供を9月より順次開始する。同製品を利用することで、IPv6環境へのスムーズな移行が可能という。

 ウインドリバーは7月17日、ネットワークインフラストラクチャの次世代新規格であり、次世代インターネットの基盤となるIPv6(Internet Protocol version 6)に対応した製品開発に必要なすべての標準コンポーネントを提供する新製品「WindNet IPv6」製品群の提供を開始したことを発表した。

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ウインドリバーのアレキサンダー・ヘルマー氏(写真左)とグレン・フィンチボウ氏

 ウインドリバーのネットワーク担当マーケティングディレクター、グレン・フィンチボウ氏は、「欧米の政府の方針やデジタルコンシューマ製品のネットワーク化などにおいて、IPv6の利用は不可欠。特に日本や韓国などのアジア地域におけるIPアドレス不足は深刻な問題であり、IPv6への移行は重要な課題となっている」と話す。

 WindNet IPv6製品群は、コンシューマデバイス開発用の「WindNet IPv6 Client Stack 1.0」と、ネットワークインフラ開発用の「WindNet IPv6 Router Stack 1.0」の2製品で構成される製品。次世代データセンター分野やデジタルコンシューマ分野、ワイヤレス分野などで利用される組み込み機器のIPv6対応を促進することを目的とした製品という。

 WindNet IPv6製品群では、同社のリアルタイムOSである「VxWorks」や統合開発環境である「Tornade」をはじめ、ネットワーク管理環境の「Envoy SNMP」などのウインドリバー製品と完全に統合されているほか、各種ネットワーキング製品との相互運用性も確保されているのが特長。同製品を利用することで、IPv6対応のデバイスや機器などを、迅速に市場投入することが可能という。

「デバイスの開発時間のおよそ40%が開発環境や各種製品のインテグレーションに費やされている。WindNet IPv6を利用することで、この時間を大幅に短縮することが可能だ」(フィンチボウ氏)

 また、ウインドリバーのネットワーク担当プロダクトマネジャー、アレキサンダー・ヘルマー氏は、「WindNet IPv6で開発されたデバイスでは、IKE(インターネット鍵交換)やPKI(公開鍵インフラ)クライアント、IPsecのサポートなどにより、強力なセキュリティ環境を実現できる」と話している。

 WindNet IPv6 Client Stack 1.0は、IPv4とIPv6のデュアルスタックをサポートし、広帯域の対応や高い性能が求められるエンドポイントに最適なソリューションを提供する。また、同製品にルーティング機能を追加したWindNet IPv6 Router Stack 1.0では、OSPFやBGPとの互換性を実現し、効果的なルーティングを実現することができるとしている。

「われわれは、インターネット技術の標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)のIPv6ワーキンググループで共同議長を務めるほか、さまざまなRFC(Request For Comment)の策定に協力している。こうした取り組みにより、高品質なIPv6関連製品を継続して提供することが可能だ」(フィンチボウ氏)

 WindNet IPv6 Client Stack 1.0の正式な出荷は、2002年9月末を予定。その後、SNMP対応やリモートアクセス(PPP:Point to Point Protocol)対応製品が順次出荷される計画という。一方、WindNet IPv6 Router Stack 1.0は、2003年1月よりベータテストが開始される予定という。その後、MPLS(MultiProtocol Label Switching)、BGP(Border Gateway Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)などを順次サポート、さらにVoIP(Voice over IP)のサポートも計画されている。

 WindNet IPv6は、既に独シーメンスの情報通信モーバイルネットワークグループで採用されているという。シーメンスでは、IPv6テクノロジーを次世代ワイヤレス通信インフラストラクチャの開発に不可欠とし、ウインドリバーのIPv6プロトコルスタックをさまざまな製品に利用するためのパートナーシップを締結している。日本国内でも会社名は明かせないとしながらも、大手電機メーカーが採用を決定しているという。

IPv6関連製品ロードマップ

時期予定
2002年9月WindNet IPv6 Client Stack 1.0出荷
2002年第3四半期SNMP対応
2002年第4四半期PPP対応
2003年1月WindNet IPv6 Router Stack 1.0ベータテスト開始
2003年2月以降WindNet IPv6 Router Stack 1.0出荷/MPLS、BGP、OSPF対応/VoIP対応
関連リンク
▼ウインドリバー

[山下竜大,ITmedia]