| エンタープライズ:ニュース | 2002/07/24 23:58:00 更新 |

Keynote:SAPが中規模企業向けに単体アプリケーションを提供?
7月25日、SAPジャパンの年次カンファレンス「SAPPHIRE '02 TOKYO」の基調講演に登場した、独SAPの共同会長兼CEO、ヘニング・カガーマン氏は、SAP R/3 Enterpriseを紹介し、中規模企業向けソリューションの概要を明らかにした。
7月25日、東京国際フォーラムで開催されているSAPジャパンの年次カンファレンス「SAPPHIRE '02 TOKYO」の基調講演に、独SAPの共同会長兼CEO、ヘニング・カガーマン氏が登場した。
今回の講演で注目できる内容は2つ。2002年第3四半期の出荷が予定されているSAP R/3の次期バージョン「SAP R/3 Enterprise」の紹介と、中規模企業向けソリューションの概要を明らかにしたことだ。

「情報中心経済の時代が訪れ、知的ビジネスの強化が課題となる」とカガーマン氏
SAP R/3 Enterpriseについてカガーマン氏は、「例えば、ERPの持つ機能を日本固有のニーズに合わせたり、業界特有のニーズを追加したりするのが容易になる」と話す。これは、同製品が、「SAP R/3 Enterpriseコア」「SAP R/3 Enterprise拡張機能」「SAP Webアプリケーション・サーバ」(SAP Web AS)の3つの部分から構成され、個々のアプリケーションをコンポーネントとしてSAP Web AS上で連動させられる仕組みになっているためだ。
このバージョンの出荷により、SAPがERP部分の機能強化をストップするとの観測が流れたこともあったが、それはSAP R/3 Enterpriseコアについてのみだ。SAP R/3 Enterprise拡張機能として、Java、もしくはABAPで新たなモジュールを開発することができるため、これまで「モディファイ」(ソースコードレベルでのモジュール修正)しなければならなかった部分を「アドオン」(モジュールの追加)で対応できるようになる。
これにより、バージョンアップ作業を円滑に行うことが期待できる。モディファイのやり過ぎで企業内に異なるバージョンのSAP R/3が分散稼動してしまっている企業がある現状を改善するためにも、SAPはSAP R/3 Enterpriseへの移行を促したいところだろう。
一方の中規模企業向けソリューションの詳細は、かなり興味深い。大企業向けにはSAPの提供する機能をフルに利用できるmySAP.comがある。中規模企業向けには、ある程度機能を限定し、テンプレートによってコンフィグレートされた「mySAP All-in-One」を提供し、さらに最大250ユーザー程度が利用する企業には「SAP Business One」を提供するというのだ。
これは、藤井氏の基調講演でも取り上げられたが、最大250ユーザー規模の企業をターゲットとすると、ユーザー数を明らかにしたのはカガーマン氏。企業内でERPを利用するスタッフは、全社員の10%と言われており、最大を250ユーザーとするなら、最低で100ユーザー程度のフォーカス範囲があることを示している。これで、全社員が約1000人規模の企業もSAPのターゲットとなったことが分かる。
そして、製品名にも注目してもらいたい。SAPが、mySAP ○○と呼ぶときは、ソリューション(アプリケーションを組み合わせて実現できること)を指し、SAP ○○と呼ぶときは、アプリケーションそのものを指す。つまり、mySAP.comとmySAP All-in-Oneはソリューションであり、SAP Business Oneは単体のアプリケーションとして提供するということになる。
SAP R/3では、FYやSDなど、機能ごとにさまざまなアプリケーションが提供されている。単体のアプリケーションであるSAP Business Oneは、それらのアプリケーションを完全に統合した形で出荷されると考えられる。そうなれば、ソリューションテンプレートはどの程度役に立つのか、導入期間は短くなるのか。今回の講演では、そこまでの詳細は明らかにされなかった。
関連リンク[井津元由比古,ITmedia]
