エンタープライズ:ニュース 2002/09/20 19:29:00 更新


中国のファウンダリ「SMIC」が日本法人を設立

巨大なエレクトロニクス消費市場が急速に形成されつつある中国の、有力なファウンダリが日本法人を設立した。中国市場に進出しようとする日本メーカーの獲得をねらっている。

 中国の半導体受託製造企業である中芯国際集成電路製造上海有限公司(Semicondector Manufacturing International Corporation:SMIC)は9月20日、都内で記者発表会を開催し、日本法人SMICジャパンを設立したと発表した。

 SMICジャパンはSMICが100%出資(資本金1000万円)による子会社で、会長は川西剛氏、社長にはSMIC社長兼CEOのリチャード・チャン氏が兼任で就任した。

 SMICは2000年4月に設立され、2001年9月には最初の半導体製造Fabである上海工場が稼働開始した。現在は月産1万2000枚規模で生産しているという。現在、世界で65社の顧客企業があり、日本企業では富士通と東芝の2社となっている。

 今回SMICは、日本と中国の両市場でのサポートを武器として日本の顧客企業を増やすとともに、市場動向のリサーチ、日本の中古半導体製造装置や半導体材料の調達をスムーズに行うことを目的として、日本法人設立に至ったと説明している。

 またチャン社長によると、現在北京にSMIC北京を設立して4工場を建設する計画が進んでいるとしている。中国では20社を超える半導体製造企業があるが、8インチウエハFabを持つのはSMICなど3社しかないという。半導体製造企業では台湾のTSMCが中国に進出するとしているが、台湾政府が0.25μmより微細な技術の転出を禁じており、この点で0.18μmプロセス技術を持つSMICが有利だとしている。

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[佐々木千之,ITmedia]