エンタープライズ:ニュース 2002/12/03 22:19:00 更新


IBMに見るパラダイム転換期の見極め方、それを助けるハイペリオン

経営分析ソリューションを展開するハイペリオンはユーザーカンファレンス「Solutions Japan 2003」を開催した。基調講演には、ベイン・アンド・カンパニーの日本支社長、伊藤良二氏が登場し、「コーポーレト・トランスフォーメーション」をテーマに、企業が自らを再構築するための方法について紹介している。

 経営分析ソリューションを展開するハイペリオンは12月3日、同社の製品やサービスを紹介するユーザーカンファレンス「Solutions Japan 2003」を都内のホテルで開催した。日本法人の平野拓也社長、米ハイペリオン・ソリューションズの社長兼最高業務責任者のゴッドフレー・サリバン氏が、同社が提唱するBPM(ビジネス・パフォーマンス・マネジメント)についてアピールした。また、基調講演には、ベイン・アンド・カンパニーの日本支社長、伊藤良二氏が登場し、「コーポーレト・トランスフォーメーション」をテーマに、企業が自らを再構築するための方法について紹介している。

 伊藤氏は同社の調査結果から、世界の各市場でシェアが1あるいは2位を維持している企業の78%が、「主導的地位にある1つのコア事業を有する企業である」と話す。複数のコア事業を持つ企業は17%に留まっており、企業活動をする上で1つのコア事業を持つことの重要性を強調した。

 同氏は、経営環境の変化に対応して、自社の競争優位性を再定義する「コーポーレト・トランスフォーメーション」を提唱する。これは、産業構造のシフトを見極め、自社のコアビジネスをいかに進化させることができるかがポイントになる。

「変曲点を見極めることが継続的に価値を出すために重要」(伊藤氏)

 同氏は、具体例として米IBMを挙げた。現在では、IT業界で常にトップクラスに君臨する同社も、過去20年の間、何度か危機的状況に陥ったことは知られているとおりだ。IBMが土俵際で踏ん張り、復活を果たした理由は何か?

 IBMは1989年から3年連続赤字を出し、累積損失は150億ドルを超えていた。1970年代のメインフレームでの成功もあり、外部環境がPCを中心としてダウンサイジングの流れにあることに対応できなかった。1982年には、PC向けのOSとプロセッサをそれぞれ、マイクロソフトとインテルにアウトソースしてしまった。もし、ここで、IBMがOSに力を入れていたら、現在のマイクロソフトが存在していないという見方もある。

 そして、いわば瀕死の状態にあった1993年、ナビスコの社長であったルイス・ガースナー氏がCEOに就任した。ガースナー氏が1994年に打ち出したのが、「継ぎ目の無い世界企業の長所を生かす戦略」だった。

 内容は大きく分けて、「IBM自身の大きさと規模を活用すること」「新しい市場(特にアジア地域)を開拓する」「コスト削減のため外販部門をリエンジニアリングする」「大企業にネットワークサービスを提供する」「クライアント/サーバシステムでリーダーになる」「IBMの中核技術を多くの製品ラインに活用すること。また、プロセッサなどのコンポーネントを外販すること」となった。

 そして、テーマになったのは、ソリューション型ビジネスモデルへの転換。

 ソリューションで儲ける仕組みを構築するために、4000人だった該当分野の担当者を8年間でなんと15万人に増やし、提案力を強化した。また、顧客中心の組織を編成するために、商品別、地域別の営業体制を顧客業種別にした。また、顧客とのインタフェースはグローバルサービス部門が一括し、採算責任も持たせたという。

 この結果、2001年には、売り上げの45%、利益の52%をグローバルサービス部門が稼ぐほどにまでビジネスモデルを転換させた。そして現在同社は、パソコンからインターネットへのパラダイム転換に対応し、システムが自律的に自らを管理、改善する「自律型コンピューティング」(旧eLiza)を掲げている。

 伊藤氏は、こうした戦略転換点を見逃さずに対応するためには、「経営者がそれを感じ取る」ことが重要と話す。そして、1つの事業に焦点を絞り、将来に渡って一環した事業戦略を打ち出すべきだとしている。

「リスクヘッジはせず、フォーカスした1つの事業に賭けるべきだ」(同氏)

 ハイペリオンにとっては、「経営者が感じ取る」という点がポイントになる。同社のソフトウェアは、ERPやSCMなど現場からの生データ自体を扱うのではなく、その下に潜む経営上の問題点を浮き彫りにしたり、新たなビジネスチャンスを健在化させることを目的にしているからだ。

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▼ハイペリオン

[怒賀新也,ITmedia]