| エンタープライズ:インタビュー | 2003/02/24 23:37:00 更新 |

Interview:米フリーマーケッツ創業者、企業間逆オークションで日本市場を狙う
e-マーケットプレイスというとドットコムバブルの崩壊以降あまり話題を聞かなくなり、懐かしい気さえするが、利用の本格化はこれからだ。同市場を引っ張ってきた米フリーマーケッツの創業者兼会長のグレン・ミーケム氏とに話を聞いた。
e-マーケットプレイスという言葉は、ドットバブルの崩壊とともに聞く機会も少なくなった。市場原理を生かすこの業態に最初に目を付けた企業にとっても、ドットコムバブルの崩壊は大きなインパクトだったものの、今後はまた成長曲線を描く準備ができつつあるようだ。1995年米ピッツバーグに設立され、同市場を引っ張ってきた米フリーマーケッツの創業者兼会長のグレン・ミーケム氏と、アジア担当の代表取締役であるダリル・ローリー氏に話を聞いた。同社は、e-マーケットプレイスとしての企業間取引の機能を、GSM(グローバルサプライマネジメント)として、ソフトウェア、サービス、情報という3つの切り口から提供している。

フリーマーケッツ創設者のミーケム氏(最左)とローリー氏(最右)。ミーケム氏は世界経済フォーラムにおいて、40人のテクノロジーパイオニアの1人にも選ばれたことがあるという。日本オフィスからはセールス担当の田中満左人氏(中左)、オペレーション担当の河内中氏。
フリーマーケッツは、業種に関わらず、企業間で行われる取引機能を、いわゆる逆オークションの形態で提供する。例えば、ハイテク業界ならば、あるメーカーが半導体部品の調達をする際に、購買リクエストを出す。そのリクエストに複数のサプライヤーが応札し、最も低い価格を提示したサプライヤーが落札するといった業態となる。ただし、サプライヤーの選定には慎重を期して、既存の取引先と同等以上の相手と取引できるようにするという。
同社の製品はヒューレット・パッカードやパーム、ハインツ、ネスレ、シェルなど、世界の大手企業がユーザーとなっている。拠点は14カ国。日本オフィスは2000年8月に設立されている。1999年には米NASDAQに上場した。ちなみに株価は、2000年1月には370ドルの高値を付けたが、2003年2月21日現在では4.35ドルと低迷しており、ドットコムバブル崩壊の影響をモロに受けた。
ZDNet 企業間オークションやB2B取引は、e-マーケットプレイスとして、ドットコムバブル時は話題を集めましたが、現在はどうでしょうか?
ミーケム 確かに、バブルはありました。さまざまな企業が市場に参入してきて、株価は信じられないような高値を付けました。しかし、構想を持たずに参入したほとんどの企業が、バブルの崩壊とともに消えていきました。われわれは、バブル以前の1995年に会社を設立し、リーダーとして、世界中の顧客に価値を提供し続けています。
1998年に800万ドルだった売り上げは、2000年に9100万ドル、2001年は1億6700万ドル、2002年は1億8200万ドルと、右肩上がりに成長しています。
ZDNet 日本の流通構造は複雑であることで有名ですが、日本市場にはどう取り組もうと考えていますか?
ミーケム 日本の流通構造の独自性は認識しています。われわれは、各国のオフィスで現地のスタッフが業務を運営していますので、日本の事情に合った形で製品やサービスを提供できると考えています。日本の事例でも、既存のチャネルよりも20〜30%も安く製品を購買している企業があり、日本市場でも新規顧客を獲得して、成功できると確信しています。
ZDNet 導入企業の主なメリットは?
ミーケム 1兆円の売り上げがある企業の資材調達額が、50%の5000億円だったとした場合、そのうちの1割をGSMで調達すると、取引額は500億円になります。そこで、フリーマーケッツが提供するプラットフォームを利用し、20%の調達額削減を実現すれば、節約額は500億×0.2で100億円に上ります。通常、100億円ものお金を生み出すには、大変な苦労が必要です。このように、フリーマーケッツを導入して、企業が直接財や間接財の調達コストを抑えた場合、非常に大きな投資メリットが見込めるのです。
実際に、鉄鋼業者の直接財取引で26%、中国のエレクトロニクス系企業が27%のコスト削減を実現するなど、多くの成功事例があります。
ZDNet 製品について教えてください。
ローリー フリーマーケッツ製品の中心は「FreeMarkets FullSource」です。最先端のソーシング技術や、業界別プログラム、24時間体制のマーケット運用サービス、個々の製品と供給市場の力学についての情報などを組み合わせたシステムとなっています。
製品では、アリバやピープルソフト、導入などのサービスではA.T.カーニーなどのコンサルティング企業が競合になります。1997年時点では米国にもライバルはいませんでした。今の日本は当時の米国に似ており、非常に大きなビジネスチャンスがあると考えています。既存の商習慣とは異なったソリューションを広めるにあたり、日本企業をどう説得できるかがカギになります。
関連リンク[聞き手:怒賀新也,ITmedia]
