エンタープライズ:ニュース 2003/02/25 23:05:00 更新


伊藤忠テクノサイエンス、米イージェネラの統合型Linuxサーバを国内販売

伊藤忠テクノサイエンスは、米イージェネラと統合型ハイエンドLinuxサーバ「BladeFrame」の日本国内における包括的販売契約を締結した。

 伊藤忠テクノサイエンスは2月25日、本社で記者発表会を開催し、米イージェネラと統合型ハイエンドLinuxサーバ「BladeFrame」の日本国内における包括的販売契約を締結したと発表した。イージェネラは2002年10月に日本事務所を設立しているが、販売代理店契約を結ぶのは伊藤忠テクノサイエンスが初めて。

 イージェネラのBladeFrameは、19インチラックマウント状のフレームに、ラックマウントタイプの専用のプロセッシングブレード「pBlade」、コントロールブレード「cBlade」、スイッチングブレード「sBlade」を装着することで構成されるサーバシステム。pBladeにはPentium III/1GHzまたはXeon/2.0GHzを2ないし4基、メモリを最大12Gバイト搭載可能で、1台のフレームにpBladeを最大24枚(96CPU、メモリ288Gバイト)装着できる。

「BladeFrame」

「BladeFrame」cBlade、sBladeは2枚ずつ(冗長構成)、pBladeは最大24枚まで任意に追加できる。


 pBlade自体にはHDDを搭載せず、Ethernetやシリアルなどの標準インタフェースも持たない。pBladeはフレームに取り付けられた帯域幅2.5Gbpsのバックプレーンと、専用インタフェースで接続する。cBlade、sBladeも同様のインタフェースでバックプレーンと接続する。cBladeは100BASE-TX EthernetとGbit Ethernet(ファイバ)、ファイバチャネル(SANインタフェース)を持っており、BladeFrameと外部ストレージ、ネットワークはcBlade経由で接続する。BladeFrameのOSはRedHat Linuxアドバンスサーバを使用している。

 BladeFrameは「PAN(Processing Area Network)マネージャ」と呼ぶ管理ソフトウェアによって、ダイナミックにリソース変更可能な仮想サーバ、仮想LAN/SANスイッチとなる。内部をクラスタ構成とすることもできる。BladeFrame内にWebサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバなどの3階層モデルを仮想的に構築することによって、サーバ台数や設置面積の削減やプロセッサの利用効率を向上し、従来のUNIXサーバと比較して、パフォーマンスを犠牲にせず2分の1以下のコストに抑えられるとしている。

 米イージェネラのマイク・トンプソンCOOによれば、各ハードウェアベンダーが最近リリースし、取り組んでいる一般的なブレードサーバシステムと比べると、BladeFrameは2年程度のアドバンテージがあるという。BladeFrameは米国においてクレディ・スイス・ファースト・ボストン証券、J.P.モルガン・チェースといった金融機関、大手情報サービス事業者、政府機関などに導入され、パフォーマンスと低コスト性において高い評価を得ているとしている。

 伊藤忠テクノサイエンスでは、2002年11月にLinuxセールスチームを設置し、システム検証やマーケット調査を実施しているほか、Linux関連技術者の社内育成の強化を図っているという。このほか、パートナー各社と協力して、アプリケーションの開発や、保守サポート体制を確立し、イベントやセミナー開催といったマーケティング活動を行う予定。伊藤忠テクノサイエンスはBladeFrameを核とするシステムで、初年度は大手システムインテグレータや金融業、通信業をターゲットに30億円、3年後には100億円の売り上げを目指すとしている。

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[佐々木千之,ITmedia]