エンタープライズ:ニュース | 2003/02/27 09:41:00 更新 |
マウンテンビュー・データ、旧ターボリナックスの「PowerCockpit」を買収、販売へ
マウンテンビュー・データは2月26日、1つのディスクイメージを基に、複数台のマシンに対する一括インストールやアップデートを実現するソフトウェア「PowerCockpit」を米ターボリナックスより取得し、3月上旬より新バージョンを販売する。
マウンテンビュー・データは2月26日、1つのディスクイメージを基に、複数台のマシンに対する一括インストールやアップデートを実現するソフトウェア「PowerCockpit 2.0日本語版」を3月上旬より販売することを発表した。
PowerCockpitは、元々、日本発のLinuディストリビューションであるターボリナックスが開発・提供していたソフトウェアだ。だがターボリナックスは、2002年3月に、経営の不安定化などもあってLinux事業をSRAに譲渡。その後はPowerCockpit事業に注力するとしていたが、このたびマウンテンビュー・データがその知的所有権や商標など、あらゆる資産を買収した。なお、かつてターボリナックスを創業した当の人物であるクリフ・ミラー氏が2000年に立ち上げた会社が、マウンテンビュー・データである。
提供元が代わったとはいえ、PowerCockpitの基本的な機能に変わりはない。ディスクイメージをネットワーク経由で、マルチキャスト形式で配信することにより、導入時の時間と手間を大きく省くほか、システムリソース割当の変更といった管理作業を一元的に行うことができる。また、運用しているOSやアプリケーションにセキュリティホールが発見された場合のパッチ適用/アップグレードも、同様の手順で速やかに行える。
「PowerCockpit 2.0日本語版」の管理インタフェース
さらに、ネットワーク上に存在する複数のマシンをグループ化し、1つのクラスタノードとして扱うことも可能だ。こうした機能を重宝して、米国では科学技術計算や医療など、大量の演算を必要とするシステムで導入されているという。
旧バージョンでは、導入や運用管理の対象はLinux OSのみだったが、改めて発売されるPowerCockpit 2.0日本語版では、新たにWindowsおよびIA-64がサポートされる。同社ではさらに、次のバージョンで、Solarisもサポートする方針だ。
2.0では他にも、オフラインでの導入・リカバリ作業を可能にする「リストアCD」の作成機能が加わった。さらに、あらかじめ指定したトリガーに応じて自動的にアクションを起こす「自動ダイナミックプロビジョニング」機能について、スケジューリングが可能になっている。
PowerCockpit 2.0日本語版は、直販および販売パートナー経由で提供される。価格はオープンプライスだが、おそらく1台当たり数万円になるということだ。同社はまた、NASアプライアンスソフトウェア「MVD Powered NAS」をはじめとするストレージ製品群との組み合わせの展開も検討しているという。
マウンテンビューデータでは合わせて、「PowerCockpit」のディベロッパープログラムを展開する予定だ。このパートナーには、PowerCockpitのカスタマイズを可能にするSDKを広く配布していくという。
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Turbolinux PowerCockpit 1.1
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マウンテンビュー・データ
[高橋睦美,ITmedia]