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2003/04/22 08:11 更新


日本HP、ミッドレンジディスクアレイと容量72GBの第5世代DDSテープドライブを発表

日本HPは、ミッドレンジ市場向けモジュラ型ストレージ「hp StorageWorks eva3000」や、記録容量72Gバイトの第5世代DDSテープドライブ「hp StorageWorks DAT72」などストレージ製品を発表した。

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月21日、都内で記者発表会を開催し、仮想化技術を搭載したミッドレンジ市場向けモジュラ型ストレージ「hp StorageWorks eva3000」を初めとしたストレージ製品群と、「DDS-4」の後継となる第5世代DDSテープドライブ「hp StorageWorks DAT72」を発表した。

 ミッドレンジ市場向けのStorageWorks eva3000は、今回の発表によって「hp StorageWorks Enterprise Virual Array」からソフトを強化して名称を変更した「hp StorageWorks eva5000」とともに「hp StorageWorks evaファミリ」を形成する。StorageWorks evaファミリでは、ディスクコントローラを独立させたデザインを採用し、毎秒16万2000I/Oの入出力性能(StorageWorks eva3000)を備え、StorageWorks eva3000で最大8.5テラバイト、StorageWorks eva5000で最大35テラバイトの記録容量となっている。ストレージ仮想化技術の採用によって、高い利用効率と優れた管理環境を提供するとしている。このほかStorageWorks eva5000では、新しくeva5000ストレージ間のデータ複製を可能にし、災害復旧ソリューションを提供する「hp StorageWorks Continuous Access EVA」をバンドルする。

 価格はStorageWorks eva3000が最小構成で1094万円から、StorageWorks eva5000が最小構成で1614万円からで、5月下旬に出荷開始の予定。

「hp StorageWorks DAT72」

「hp StorageWorks DAT72」とDAT72テープカートリッジ


 hp StorageWorks DAT72は、従来のストレージ用DATテープドライブ規格「DDS-4」(ネイティブ容量20Gバイト、転送レート毎秒3Mバイト以上)の後継となる第5世代DDSテープドライブ規格の製品。本来ならDDS-5となるところだが、DDSのパテントをHPと共同所有するソニーが開発意向表明をしていないため、HP独自の「DAT72」規格という扱いになっている。DAT72は、DDS-4からテープ厚を薄くしてテープ長を延ばしたうえ、記録密度も増加させたことで、ネイティブ容量36Gバイト(2:1圧縮で72Gバイト)、データ転送レート毎秒6Mバイト以上を可能にした。価格は14万円からで、5月中旬に出荷開始予定。

 初のDAT72規格ドライブStorageWorks DAT72は、DDS-4、DDS-3規格テープのリード/ライト互換性持っている。HPでは、1999年発表のDDS-4規格以後、ほかのメディアへの移行が進むと見て、2000年にはDDS製品の開発を停止したが、市場でのDDS-4規格後継に対する要望・期待が大きいことから、開発を再開し、今回の発表に至ったという。今後は第6世代、第7世代にあたるDATテープドライブも開発していく予定。第6世代ではネイティブ容量で70〜80Gバイトになるが、すでに技術的な見通しは立っているとのことで、早ければ2005年にも登場の見込みだとしている。

[佐々木千之,ITmedia]

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