| エンタープライズ:ニュース | 2003/05/14 19:01:00 更新 |

日本オラクル、「Unbreakable Linux」を成長の浮力に
日本オラクルが中期事業計画「Oracle Japan Innovation 2003」の柱となるLinux関連の新戦略「Unbreakable Linux」を明らかにした。Linux版製品の売り上げを年率50%以上で成長させるもので、新宅正明社長は、「価格改定に端を発したライセンス売り上げの減少をLinux版製品によってリカバリーしたい」と話した。
日本オラクルは5月14日、都内のホテルで記者発表会を行い、Linux関連事業を強化する新戦略「Unbreakable Linux」を明らかにした。6月からスタートする3カ年の中期事業計画「Oracle Japan Innovation 2003」の重点施策として取り組むもので、Linux版製品のライセンス売り上げを年率50%以上で成長させ、2006会計年度にはLinux版製品の売り上げ比率を20%まで引き上げたいとしている。
同社は今年1月、ビジネスアプリケーションであるOracle E-Business SuiteのLinux版を出荷し、すべての製品をLinuxに対応させている。2月にはIBM Linux/390、3月にはUnitedLinuxへの対応を発表したばかり。この日も、64ビットのItanium 2に対応した「Oracle9i Database Release 2 for Linux Intel Itanium」の受注を開始した。
記者発表会に出席した新宅正明社長は、「価格改定に端を発したライセンス売り上げの減少をLinux版製品によってリカバリーしたい」と話す。
日本オラクルは昨年末、データベースおよびエデュケーションビジネスの低調を理由に挙げ、2003年5月期通期の業績予想を下方修正し、併せてOracle Japan Innovation 2003を発表している。データベースに関しては、契約件数は落ち込んでいないものの、コストに対する圧力から、1件当たりの売り上げが減少しているという。
新しいLinux戦略は、「Unbreakable Linux」ソリューションを日本市場でも提供していくため、技術サポート体制や営業体制を強化することが柱となる。ワールドワイドでの協業を受け、Red Hat LinuxやUnitedLinuxというOSを含むワンストップサポートを提供するほか、Linux専門営業組織として「Linuxビジネス推進室」を新設するという。
ワンストップサポートは、日本オラクルからLinux OSの修正プログラムを提供するだけでなく、緊急度の高い障害が発見された場合には、オラクル自身が修正プログラムを作成して対処するという、踏み込んだ内容となっている。
今年度いっぱいミラクル・リナックスの社長を務める藤城薫氏が率いる予定のLinuxビジネス推進室は、「OracleDirect」を介して中堅企業や小規模事業者へのLinux浸透度をいっそう高めていくほか、ISVらのアプリケーションやツールのLinux対応も促進させていくという。
ミラクル社長に佐藤常務が就任
6月にスタートする新年度からは、日本オラクルで常務執行役員 CEOオフィス室長を務める佐藤武氏がミラクル・リナックスの社長に就任する。
2000年6月、日本オラクル、NEC、ターボリナックスらが出資して設立されたミラクルは、現在、Red Hat LinuxをベースとしたLinuxディストリビューション事業を展開しており、国内シェアは金額ベースでレッドハットの44.2%に次ぐ、37.2%を獲得している(IDC Japan 3月調べ)。Linux版Oracleの75%をカバーしており、Red Hat Linuxなどでは顧客のニーズが満たしきれていないことを示している。
今後、ミラクルではプロフェッショナルサービスの売り上げ比率を50%まで引き上げるほか、売り上げ自体も年率で50%増を目指すという。
5年前、Linux/NT事業推進部を率いた経験を持つ佐藤氏は、「5年の時を越え、Linux事業の最前線に戻ることになった。ディストリビューション事業に加え、サービス事業を強化し、トータルサービスプロバイダーを目指したい」と話す。
なお、5月14日付けで「Unbreakable Linuxパートナー協議会」も発足させており、伊藤忠テクノサイエンス、NTTデータ、新日鉄ソリューションズ、デルコンピュータ、東芝、NEC、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所、富士通が幹事会社および発起人として名を連ねている。日本アイ・ビー・エムも参加の意向を示しており、「特別参加企業」として紹介された。
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[浅井英二,ITmedia]
