| エンタープライズ:ニュース | 2003/05/16 09:11:00 更新 |

EMCがCenteraを強化、法的規制に沿った電子データの保存を支援
EMCが、電子文書・メールの長期保存を支援する機能を搭載した「Centera Compliance Edition」を発表した。電子データの取り扱いに関するさまざまな規制を受けての製品だ。
イーエムシージャパン(EMCジャパン)は5月15日、変更の必要がないフィックスコンテンツ専用ストレージ製品「Centera」を強化し、電子文書・メールの長期保存を支援する機能を搭載した「Centera Compliance Edition」を発表した。
米国ではエンロンの破綻などを受けて、企業財務会計における不正防止を目的に、監査情報や電子メールを一定期間保存するよう義務付ける規制が展開されている。また、安全かつプライバシーに配慮したデータ保存を医療業界に求めるHIPPAのように、特定業界向けに電子データの取り扱いを定めた法律も登場している。
ちなみに、これがIT業界にとっては、数少ない成長の見込める市場を提供していることも事実だ。米国での調査によると、一連の規制に対応するためフォーチュン1000社が必要とする投資額は25億ドルに上るということだ。
日本もおそらく例外ではない。既に電子帳簿保存法の制定によって、帳簿書類の電子保存が認められるようになっているが、将来的にはより厳密な文書・記録の保存を求める規制が登場する可能性がある。Centera Compliance Editionはこうした背景を踏まえて市場に投入された。
もともとCenteraは、変更の必要がない電子データの長期保存をにらんで開発された製品だ。オンラインのディスクベースのアーカイブ専用ストレージであるため、テープストレージに比べ、必要なときに迅速にデータを呼び出せる。さらに、MD5を活用した独自技術「コンテンツ・アドレシング」によるデータの認証・改竄防止機能やインデックス機能、RAIN(Redundant Array of Independent Nodes)アーキテクチャによるデータの保全といった特徴も備えている。
Compliance Editionにはこれらの機能を踏襲しつつ、さまざまな規制に沿った電子データ保護をにらんだ機能を搭載している。
具体的には、データの保存期間をストレージレベルで指定する「保管期間管理機能」が挙げられる。Centera Compliance Editionで保管期間を設定すると、その間は、アプリケーション側からデータの削除を行おうとしても拒否される仕組みだ。
またデータの流出保護という観点から、復元ユーティリティによるデータ回復を不可能にする「シュレッディング機能」が搭載された。データを単に削除するだけでなく、意味のないデータで7回上書きすることにより、後からデータを読み出せないようにする。
さらに、金融業界など規制の厳しい顧客を対象とした上位機種「Centera Compliance Edition Plus」では、ストレージに対するアクセス制御を強化し、セキュリティを高めている。これは、リモートサイトにレプリケーションされたデータについても適用されるということだ。同時に、ダイヤルイン機能を無効化してリモートアクセスを防止し、悪意あるユーザーによる改ざんの可能性を極力少なくした。
Centera Compliance Editionでは他にも、ハードウェア自体の強化や対応アプリケーションの拡張などが図られている。特に、イキソスソフトウェアやレガートシステムズ、日本ドキュメンタム、バンクテック・ジャパン、KVSおよびコネクテッド・コーポレーションの各製品については、日本語環境での動作検証がなされているという。
EMCジャパンではこの製品を、先日発表したATAディスクベースの「CLARiX ATA」とともに、データのライフサイクル管理を支援するソリューションの一環として提供していく。CLARiX ATAは、高速なバックアップ/リストアが求められる短期的なアーカイビングに適している一方で、Centera Compliance Editionは、数年単位での長期的な保存に威力を発揮するという住み分け方だ。
同社が最終的に目指すのは、これまでは直近データのバックアップも長期的なアーカイビングも区別されることなく、ひとまとめにテープにバックアップされていたものを、データやアプリケーションの性質に応じて、適切なストレージに保存させるというアプローチだ。これにより、管理・コストの軽減を図るとともに、パフォーマンスの効率化を支援するという。
Centera Compliance Editionの価格は、最小構成で2100万円から。
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[高橋睦美,ITmedia]
