エンタープライズ:ニュース 2003/07/01 17:55:00 更新


VMware、ユーティリティコンピューティング用のソフト新製品

VMwareがバーチャルマシンの管理とプロビジョニング用の新しいソフトウェアを発表した。「分散されたシステム間での作業負荷管理が極めて柔軟に行える」とアナリスト。(IDG)

 バーチャルマシンソフトメーカーのVMwareは6月30日、管理者が1台のコンピュータから別のコンピュータへ、サービスの中断なしにアプリケーションを移動できるよう設計したというソフト新製品を発表した。

 同社製品管理担当シニアディレクターのマイケル・マラニー氏によると、このソフト「VMotion」によって、ユーティリティコンピューティングが「初めて実体のあるものになる」。ユーティリティコンピューティングは、顧客がコンピュータの処理能力を、自社のアプリケーションで使う分だけ購入できるサービス。「今や一つの物理システムから他の物理システムへ、エンドユーザーに中断を気付かせることなくアプリケーションを移行できるようになった」と同氏。

 VMotionは、同社がこの日発表したもう一つの新製品「VMware Control Center」のアドオンとして販売される。

 VMware Control Centerは、VMwareバーチャルマシンの管理とプロビジョニング用のソフトで、現在、一部の選ばれたVMware顧客間でβテストが進められている。Control Centerにはセキュリティとパフォーマンスを管理するソフトと、ユーザーが新サーバにVMwareバーチャルマシンを簡単に設定できるバーチャルマシンテンプレートが含まれる。

 Forrester Researchのアナリスト、ギャレン・シュレック氏は、VMotionは他に類のないソフトだと指摘している。「これを利用すれば、分散されたシステム間での作業負荷管理が極めて柔軟に行える。通常あまり使われないアプリケーションをたくさん1台のマシン上に置いておき、どれか一つのアプリケーションの需要が高まった時点で、そのアプリケーションを専用ハードウェアに移すことができる」

 Control Centerは、多数のVMware環境を抱えたユーザーにとって特に有用だとシュレック氏は説明する。「数十のバーチャルマシンを走らせたいユーザー向きだ」

 シュレック氏は、Microsoftからも近く、2003年2月の取引によって同社が獲得したConnectix資産をベースに、同様のソフトがリリースされるだろうが、現時点ではVMwareの方が技術的に先行していると語る。「Microsoftも年内には、何らかの製品を投入してくるだろう。だがそれはVMwareほど進んだ製品ではないだろう」とシュレック氏。

 VMware Control CenterとVMotionの価格は発表されていないが、VMwareによると第4四半期に出荷開始の予定。

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[Robert McMillan,IDG News Service]

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